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鐔を求め「永楽堂」さんへ

日本刀を販売しているお店が両国にある。
刀が好きな人であれば刀剣博物館という名前は一度は耳にしたことがあると思うが、そこから徒歩10分ほどの位置に、両国駅からは5分かからない程度の位置に「永楽堂」さんはある。

両国駅から徒歩5分、刀剣博物館から徒歩10分程度の位置にある「永楽堂」さん
刀剣博物館から非常に近い。
刀剣博物館で展示を見てその余韻に浸ったまま寄ってみるのも良いかもしれない。


永楽堂さんはネット販売にも力を入れているお店で、HPの更新頻度も高い。
サイトで気になった鐔を発見し、事前に連絡を入れてお伺いする事にした。
(必ずしもサイト掲載品を店内に置いているとは限らないとの事で、気になる物がある人は事前に連絡する事をお勧めします)


①いざ、店内へ

(※店内は全て許可を頂いて撮影しています)

店内には特別保存刀剣や重要刀剣といった刀がガラスケースの中に綺麗に展示されている。
上部からのスポットライトにより、ガラス越しでも刃文などを楽しむことができる。壁面が紺色なのも刀身を見やすくする為の工夫と考えられ、刀身に集中出来るのが有難い。

特別保存刀剣や重要刀剣が並ぶ。刃文もとても見やすい。
HP掲載品が並んでいるのであらかじめHPを見て予習しておくとより楽しめるかもしれない。
こちらに掛かっている刀は求めやすい安価コーナーであろうか。
兜なども。


②数振拝見させて頂くことに

お店の中央に大きなテーブルがあり、とても有難い事に名刀を数振出してくださった。(なんと恐れ多い事か…)
その中から1振紹介させて頂く。
鎌倉末期から南北朝にかけて長船で活躍した備前長船近景の作。
明智光秀佩刀の明智近景などを作った名工である。

重要刀剣の長船近景。
この時期の刀は大摺上品も多いがこの刀は貴重な在銘品。
銘の位置から区を少し上げ、茎尻を少し切っていると思われる。
良く沸づいた小乱れの直刃調の刃文の上には乱れ映り、棒映りのような物がはっきりと見られた。
持ってみると予想よりもズッシリ感じた。健全な証なのだろう。
切先が少し伸びるのも南北朝頃の特徴でしょうか。帽子あたりは少し減っていますが鎌倉真末期のもの。この位は見過ごしてあげなければ買える刀が無くなる。
金筋などの働きも盛んに見られて見ていて変化が多く面白い。
店内のライトでは地鉄も良く見る事が出来た

鐔を見に来たはずが時間を忘れて暫く見入る事に…。
他にもとんでもない名品もあったのでそれは直接行かれてみて是非確かめて下さい。


③鐔の行方

ところで鐔はどうしたの?という点ですが、安心してください。
買いました。
サイトで見るよりも詫びた風合いがとても良く購入を決断。
光をかざすと山銅の茶色い色味と経年で黒づんだ色味が確認出来る。
キラキラした鐔や技巧の凝らされた鐔も良いですが、どうも見ていると疲れてしまう。
そんな時にこうした鐔を見ているとなぜか心が落ち着くのです。

山銅地の太刀師極めの鐔です。室町期もしくはもう少し時代の上がる薙刀鐔でしょうか。
耳厚も8㎜とかなり厚めで重厚感があります。
菊花の刻印が一面に施されているという洒落た一枚。

以前別で購入した南北朝期頃の器とどこか風合いが似ている。
同時期頃の物なのかもしれない。


④終わりに

という事で気づけば1時間ほどあっという間に時間が経っていました。
途中から奥様も出て来られて店主様と3人、想像以上に話が盛り上がり楽しかったです。
とても雰囲気の良いお店でした。
刀剣博物館近くという事でまた是非邪魔させて頂きたいと思います!
(刀装具の更新も楽しみにしています!)


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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