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「丸選手に会えたから、受験頑張れる」巨人・丸佳浩選手が子どもの居場所で中高生と交流

2023年12月3日(日)、カタリバが運営する都内の中高生向け居場所施設に、プロ野球読売巨人軍の丸佳浩選手が来訪されました。

実は丸選手、巨人の社会貢献プロジェクト「G hands」の一環で、2021年からカタリバが運営する東京都内の生活困窮世帯の子どもたちに食事支援を行う「丸メシプロジェクト」を立ち上げ、ご自身のシーズン成績に応じた金額をカタリバの子どもたちに寄付してくださっています。

「一人でも多くの子どもたちにおなかいっぱいごはんを食べてほしい」という想いから始まったこのプロジェクトも今年で3シーズン目。去年に引き続き、施設に通っている中高生や、過去に施設を利用していた卒業生と一緒に食事をしたり、質問に答えたりしてくださいました。

この記事では、丸選手と実際に会って参加者たちが感じたことや、交流後に起こった変化についてお届けします。

彩り鮮やかな料理を食べ、会場に笑顔と涙があふれる

丸選手が来る当日、あわせて20名ほどの中高生や卒業生が集まり、丸選手にプレゼントしてもらったユニフォームを着用してお出迎えの準備をします。

丸選手が到着すると、会場全体から拍手が。プロ野球選手を目の前にして嬉しさから興奮している参加者もいれば、緊張で顔がこわばっている参加者も。

その緊張をほぐすため、生徒たちが用意した質問に対して丸選手が3つの選択肢を出して答えてもらうクイズゲームを行いました。「丸選手が好きな形はなんですか?」という質問に対して、丸選手が出した選択肢は丸・ひし形・三角の3つ。丸選手の名前から、「丸」に手を挙げた参加者が多かったですが、意外にも答えは「ひし形」でした。理由は、スコアをつけるときにホームランはひし形で表すからとのこと。他にも意外な答えのクイズが多く、場が温まるにつれて中高生たちの表情も柔らかくなっていきました。

この日、女子中学生が作ったメニュー

緊張がほぐれたら、みんなで丸選手を囲んで食事をします。この日のメニューは “ハンバーグ” !その他にも、えのきとネギのサラダやトマト、マッシュポテトなど、プレートはとても色鮮やかでした。もちろん、丸選手が大好きなお米も忘れずに。

実はこの日は丸選手が来るということで、「私も食事づくりをしたい」と立候補したひとりの女子中学生がスタッフと一緒に朝から昼食の仕込みを行いました。朝から20人分の野菜を切り、お米を炊き、スープを作り、ハンバーグをこねて焼くなど大忙し。えのきとネギのサラダは、丸選手は野菜が苦手だという情報を得た彼女が追加したメニューです。

そんな愛情たっぷりの料理を食べ、丸選手が「ものすごく美味しいです!」とその子に向かって言うと、感動から泣き出してしまいました。そんな様子を見て、施設のスタッフからも涙がこぼれました。

丸選手と交流する中高生たちの姿を見て、感動するスタッフ

食事の後には、丸選手にたくさんの質問が飛びます。ここでは一部、ご紹介します。

Q. 緊張をほぐすためにはどうしたらいいですか?
A. 緊張感がまったくないと、逆に良いプレイができないと思うから、緊張するのは必ずしも悪いことではないです。普段と変わらず同じルーティンで挑むと、気持ちが少し落ち着くと思います。

Q. 好きなことを続けていて、大変なことはありますか?
A. もともと野球が好きで、小さい頃から得意だったけど、自分のレベルが上がるにつれてもっとすごい人が出てきて「やっていけるかな?」と思うこともありました。でも、「くよくよしている暇はない。引きずってもいいことがないし、前だけ向いて頑張っていこう」とプラス思考で考えるようにしています。

Q. 奥さんの好きなところはどこですか?
A. どんなに喧嘩をしていても「今日は何食べるの?」と聞いてくれることです。今日食べた料理みたいに、美味しいご飯をいつも作ってくれます。

中高生たちからの質問に答える丸選手

中高生たちからだけでなく、丸選手からも「みんなは今、何が楽しい?」と質問をされると、「料理」や「音楽を聴くこと」などいくつか答えが返ってくる中で、「この居場所施設に来ること」という声が。詳しく聞くと、勉強はもちろん、友だちとカードゲームやボードゲームで遊ぶのが好きで、お気に入りの場所になっているとのことでした。

丸選手と一日過ごし、姿勢が変わったある女の子

最後はサイン会を開催。丸選手の前には長蛇の列ができ、色紙やユニフォーム、スマホケースなど、いろんな箇所にサインをもらっていました。握手をしたあとに、「もう手を洗えない!!」と興奮している子も。

参加者のユニフォームにサインをする丸選手

まだまだ話したいことがあり名残惜しそうな子がたくさんいましたが、中高生たちからも丸選手へメッセージカードをお渡しして、みんなでお見送りをしました。

参加した子たちからは、こんな言葉がありました。
「これを聞こうって決めてたけど、実際にお会いすると頭が真っ白になりました」
「丸選手の言葉すべてに説得力がありました。普通の人だったらマイナスに捉えちゃいそうなこともプラスに捉えている姿勢を見て、参考にしようと思いました」

特に、調理を担当した女子中学生からの言葉が印象的だったので、最後にご紹介します。

調理のお手伝いをするため、ネギをきっている丸選手

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丸選手に会えたから
丸選手にご飯食べてもらえたから
丸選手が握った包丁で野菜を切れたから
丸選手が切ったネギで料理できたから

だから、受験頑張れそうです。

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スタッフ曰く、つい先日まで「高校なんてどこでもいい。行けそうな高校に行く」と投げやりな態度だったそうですが、丸選手との交流でこんなにポジティブになりました。

先生や親に言われて素直に聞き入れられないことでも、憧れの人や、利害関係のない少し先を行くお兄さん・お姉さんと接することで、考えが変わることがあるかもしれない。改めて、第3の居場所の大切さを実感した一日となりました。


実は帰り際に、丸選手からもこんな言葉をいただきました。
「今一番楽しいことを質問したときに、ここに来るのが一番楽しみですという言葉を聞いて、『そうだよな』と思いました。僕も子どものときにこんな場所があったら楽しいと思うし、こういった施設の重要性を改めて感じました」

カタリバが、子どもたちにとって安心安全な居場所を運営し、日々伴走支援できているのは丸選手をはじめ、応援してくださっているみなさまのおかげです。これからもすべての10代が意欲と創造性を育める未来を目指して、様々な方と協働しながら活動を続けてまいります。

※許可を得た卒業生のみ、顔出ししています

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