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家庭教師の領域

家庭教師を長年やってきて、自分の領域というものがどの辺りなのかふと考えた時がありました。
元はあかの他人が、勉強を教えるという名目で、見ず知らずのおうちにあがりこんで仕事をする。
客観的に考えれば、結構特殊な仕事です。
20年以上もやっていると、いろいろなご家庭に巡り合います。
生徒さんとの距離感は、プロとして場合によっては、幼い時から知っている子をみさせてもらったとしても、ほぼ公平に公明正大にみられます。
プロ家庭教師の観点からすれば、目の前の生徒さんが、何が分からなくて、どうなりたいのかを10等分して伝えるのか、3等分して伝えるのか、それともキラーワードを使って、一撃必殺で解決していくのかを瞬時に判断して反応を探りながら、いわば攻城戦に挑んでいくだけだからです。
しかし、問題はご家庭との距離です。これは難しい。
親御さんの子供さんに対する熱量や、悩みの深さ(生徒さんについて、場合によっては親御さんの悩み)ご家庭内に内在する問題など多岐にわたります。

私の人生の指針の一つの言葉に象徴される”Let it be
なるがままに、あるがままにという言葉があります。自分というのは、一人の個性、自分を見つける旅が人生そのものだという根本的な思想信条を持っています。
自分らしく、とは言いますが、そのまま生きようとすれば、社会も学校もまだまだ世知辛い。しかしながら、自分らしくということを見失えば見失うほど、人生の闇が広がってしまうということも真実だと思います。
したがって、自分というものを創っていくために学ぶんだと諭します。
静かにそう諭すと不登校であったとしても、学業不振であったとしても、目の輝きをたちまち取り戻してくれます。
自分って何なんだろう。まだ、何にも知らなさすぎじゃないか。
そう考え、向き合うことから学ぶことを始めてもらうように持っていきます。
話を戻しますが、しかし、ご家庭との距離感は難しいという話。
基本姿勢として、依頼されたご家庭の親御さんの相談にはしっかりのるようにしています。
しかしながら、お子さん以上に悩み込んでしまっている親御さんが多いです。けっこう、そちら側の解決が優先の場合が時にはあります。親御さんの考え、悩みを解決すると子供さんに対する対応が変わり、一気に前に進んでいくケースもよくあります。
単に勉強を伝えるだけにとどまらないのがこの仕事の奥行きです。
この仕事を極めていこうとする者には解決しなければならない難問も、勉強以外でも次から次へと現れてくるものです。

さて、学ばなくてはならないこと、やらなくてはならないこと、これは十人十色全くの決まりはありませんが、義務教育で施されている内容や昨今日本国内では無償化になってきている高校で習うことについて、しっかりと学んでおいた方が良いという見解については、大半の諸氏の見解は一致するのではないかと思います。
あの時にやれば良かった、などと言わせないように今やるべき事をしっかりとやってもらうようにあの手この手で生徒さんに挑んでいく毎日は続きます。


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