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進捗状況へのアプローチは指導の肝です

これまで状況の全く違うさまざまな生徒さん、ご家庭に携わってきました。
これは、十人十色、三者三様、至極当然のことなのですが、その対応について経験からくる直感的分析力と冷静な判断力と少々の忍耐力と的確な指導伴走能力を伴って、受け持つ生徒さんの現在おかれている状況を早々に前へと進めていかなくてはなりません。
家庭教師という仕事は、何の因果かご縁でか、それぞれの生徒さんの人生のひととき、その人生の一端を限られた時間、生徒さんにとって最適で最良な伴走者として、またよき理解者(例えば生徒さんが親に言えないようなことに対しての相談者)として時間を共有します。
感覚的には一人一人にとっての貴重な時間をお預かりするので、受け持った時間を一切無駄にはできないといった感覚で挑んでいきます。これは裏を返せば、その時間、私自身の人生の時間も捧げているということですので、是非とも目の前にいる生徒さんにとって毎回最も有効な機会にしてもらおうといことも念頭に表裏で意識としてあります。

指導を始めていくと、最初に判断していった路線に沿って、ある程度進めていき、マイナーチェンジを繰り返し、生徒さんそれぞれに合った学習指導における最適解を見つけていきます。
例えば、そのマイナーチェンジとはこのようなことです。
標準的な指導時間として、週2回の1回2時間というパターンで復活させていく事が多いのですが、それに対し中学生なら5教科を中心に全部みていくとなると時間配分の失敗は致命傷になります。その中で苦手としてきた教科の改善から手を付けていくことが多いのですが、その進捗状況は本当に個人差が出ます。苦手という概念については、また別の項で取りあげますが、その根の深さ、表現が適切かどうか分かりませんがトラウマ感みたいなものによって、個別指導でどれだけ分かりやすい説明ができたとしても、その瞬間では分かったつもりになるだけで、自己学習の時間を取ってくれない場合が散見されます。その場合、私の指導の時点では理解してできているということを入念に確認できたとしても、実質では、苦手なまま全く立ち止まっていて、もとのままだったということがよくあります。
分かったのなら、自己学習、繰り返しの確認作業が必要です。それを怠ったのならば、せっかく分かったものも無駄になってしまうことは、指導の冒頭部分で繰り返し伝え続けるのですが、人間の教育というのは一筋縄でいかないところがあります。
逆にそのトラウマ感みたいなものが深すぎて、しっかりと自分で悩んできた生徒さんが、私の指導を受けて悩んでいたところ、できなかったところ、目の前の問題を解くためにどこまで遡ったらその解答のたどり着けるかということが明白になって、水を得た魚のように行動し始め、その教科と対峙し始める場合、そこからの自分の潜在能力の胎動を掴み始め、気がついたら得意教科になっていたなどという生徒さんも同程度、私の前に出現してきます。
私は、常々指導者として、とても注意を払っているのは、個人個人の理解度や思い、情熱感を見誤ってはいけないということです。
つまり、実際に指導内容の中では結構緻密な言葉選びや、掛け合いがあるわけですが、重要なのはその進み具合、頭の中の収まり具合によって正確なスピード調整をしていくことがとても大切だと思っています。
そのスピード調整の事をマイナーチェンジという言葉で今回表しました。

例えば、1から10までの項目の中身と要件を頭の中に収めていこうとすると、特に苦手意識が強い教科に対しては、2か3程度の初歩段階でつまずいてどうしようもなくなっているケースが最も多いのですが、そこをクリアできたら一気に8くらいまでいけるのか、それとも1個づつ着実にいくしかないのか、大いに時間をかけてでも初歩のところをクリアにしていって、のちの5か6くらいまでが時間的限界なのか、ここの見極めを正確にできると順調に進むか、突然変異のように得意教科にまで昇華させてしまえる事が経験上分かっています。そのためには、しっかりと生徒さんを観察して、洞察力を持って次の1歩を着実なものにしていく必要があります。
性格的に独りよがりでは駄目で、指導内容や進捗状況を全体的に俯瞰する眼差しを常に持ち続けるということは、とても大切なことです。

どう転んでも、私が学習指導に使える時間と学校での授業時間とでは数十倍にも及ぶ時間量の差が生じます。しかし、学校での指導では得ることのできなかった理解度と成果を真逆の倍数で出さなくてはなりません。
それがプロ家庭教師の仕事です。

しかしながら、また違う項で詳しく書きたいと思いますが、家庭教師の業界というのは、ほとんどがアルバイトや学生、本当に指導能力があるのかどうか分からないような人材が占めている現状には変わりありません。プロとして相応の実績を積み重ね続けている人は、数パーセントに過ぎないと大手何社かの仕事を請け負っていた時期に実際に担当の方々から聞いて明確なことです。
そんな指導経験もあるかないかわからない、能力も危うい素人人材をご自宅にあげて大切な子供さんの教育を担わせてはいませんか?






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