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これで与信管理も大丈夫?企査査

駐在員に立ちはだかる売掛金回収の壁

中国で駐在員として活躍されている皆さんであれば、日頃の業務の悩みでトップを占めるのが「売掛金回収」だと思う。売ったはいいが、「払う払う」と延々と支払い遅延を行ってくる企業は、中国には山といる。中には、人事考課の査定項目に「1日でも支払いを先延ばしにする」ことを入れている会社もあるくらいだ。

弊社の話で言うと、売掛金回収の為見た目がやくざで怖そうな社員をわざわざ連れて内陸とか東北の辺鄙な街の工場に売掛金回収に行くこともしばしばある。しかも、総経理がわざわざ行くのだ。こんなあほくさい、無駄なことはない。

回収に行っても、居留守使われたり、詭弁を弄して支払い時期を明言せずひたすら時間稼ぎをする老板が殆ど。これがあるから、日系企業は「内販」(中国国内向けの販売)をやりたがらず、営業をかける企業は日系ばかりとなる。ちなみに、弊社の場合、いくら営業利益で実績を上げたとしても、1元の未回収金があると評価はマイナスをつけられる。

回款比销售更重要!(売掛金回収は売上よりも重要!)

新規で客先開拓を行う場合、事前に先方の企業情報、特に財務情報(最終受益者)を入手しておくことは、与信管理の上で非常に重要である。以前は百度等検索エンジンで該当企業を検索しても、広告ばかりでまともな情報を得ることが出来ず、客先に足しげく通って情報を引き出すことしか出来なかった。

最高に便利なアプリ登場

ところが今や、便利な世の中になった。アプリで「企査査」というのがある。

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これで企業名を検索すると大体の会社は出てくる。誰が株主で、誰が受益者なのか、財務諸表、裁判履歴、どんな商標を所持しているか、等幅広い情報を見ることが出来る。基本無料で使えるが、財産線索(要は売掛金回収不能の際何を押さえることが出来るか)等の重要な情報を見れることを考えると、1年1,800元(3年3,600元)のVIPプランに加入することが望ましい。会社で支払うことを考えれば安い物である。

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VIPになることで、入手できる情報は格段に多くなる。またカスタマーサポートもあるのも安心。

また、会社名検索ではなく、知り合いの名前を検索すると、その人間がどんな会社を設立して、何社持ってて、どんな会社に投資(入股)しているか等簡単に見ることが出来る。(査老板)

中国にて売掛金回収の際に重要なことは、債権者としていかにして損失分を少しでも取り戻すことが出来るかであるので、ダミー会社を多く持つことが多い中国人に口先で騙されないように、その人物が経営する、経営に参画している会社を全て「企査査」で把握しておくのが便利である。

もっと突っ込むと、その債権を回収しようとも、該当者が経営する全ての会社に財産らしいものが全くないという状況もある。だが、そこであきらめてはいけない。中国人経営の会社には大体配偶者や親族が経営に関わっていることが多い。そいつが駄目なら、配偶者や親戚の名前をクリックして彼らの経営する、関連企業全てを洗いざらいするのである。そこで財務状況をチェックし、彼らの会社にキャッシュがないか、財産がないかを確認する。あれば、その情報を元に売掛金を支払うように迫るのである。

万全の策を尽くしても駄目であれば、最後の手段。弁護士を通じて裁判を起こす。今までは全ての情報等を弁護士に丸投げしていたことから、裁判に至るまでの時間が長く、費用も必要以上にかかり無駄だらけであった。自社もしくは自分が、この「企査査」等アプリにて情報を入手し、状況を把握しておくことが売掛金回収への近道となるかもしれない。

支払いを渋る相手の前で「報警」(警察に通報)するのも一つの手である。但し、相手が現地で力を持っている場合、警察もグルになっている場合もあり、相手にしてもらえないことも多々ある。ただ、通報する、という姿勢を見せることは非常に大事である。日本人は常になめられていると思っておいた方がいい。


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