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大きな事故に ならんで良かったんやけど。

   知り合いの放課後等デイサービス支援員のBさんとお話。
 Bさん、残念な事件があって…と、グチをこぼしはじめました。

(このエピソードは加工しています
実話を元にしたフィクションです)
  
 小学一年生の女の子Sちゃんは、かわいい小石、キラキラガラスの破片を見つけると拾って見せてくれるそうです。

「きれいでしょ」

キラキラしたガラスの破片。
 Bさんは危ないからと、ティッシュにくるむように促したりしていました。

 Bさんの放デイの、保育士の資格を持つ新人支援員 J子さん。
 彼女に、重度の知的障害でオムツも取れていない、まだ、色んなモノを口に入れてしまう、小2のRちゃんが懐いていて、J子さんは、Rちゃん付きっきり、専属に近い形になっていました。

 Rちゃんを施設から自宅へ送り届ける車内での事、添乗で横に座っていたJ子さんのちょっとした隙に、Rちゃんが何かを口に入れてしまいました。

 J子さんは吐き出させようとしましたが上手くいきません。

 その時、運転していたBさんは、すぐに救急車を呼びました。
 結果、無事吸引できて、大事には至りませんでした。

 Rちゃんの口から出てきたのは、小さく透明なプラスチックの欠片、幸い、尖ったものではなかったので、体内をキズ付ける事もなかったようです。

 その欠片、おそらくSちゃんが学校で拾って、その車のボトルポケットに置き忘れたモノ、Sちゃんが施設に着いた時、寝てしまっていて、抱き抱えられて降車していたと報告がありました。
 
 ・学校からの便、Sちゃんの降車後に、ボトルポケットまでチェックできていなかった事

・ 施設から発車する前に、運転手のBさんが、車内確認で見つけられなかった事 

・誤飲の危険を予測できたのに防げなかった事

  施設側に全面的に過失責任のある事故でした。

  Rちゃんのお母さんは、その時、かなり厳しくJ子さんを責めましたが、無事と分かった後は落ち着き、今も引き続き施設を利用していると。

  施設側としては、J子さんをRちゃんとは組ませないようにしました。

 Rちゃんのお母さんも、他の放デイへ代わろうにも、支援に必ず一人付けねばならぬ重度のRちゃんを引き受けてくれる放デイが、そう簡単に見つからない現実は重々承知、それで納得されたようです。

  Bさんは、 J子さん一人の責任でないと何度も慰めましたが、J子さんは精神的に参ってしまい、結局、辞められたそうです。

  「放デイで働き出してまだ半年なのに、もう福祉の仕事、保育士の仕事もできなくなってしまうかもしれん 」

 Bさんは、深いため息をついて、嘆いていました。

 ボクは、 先日の介護施設の誤嚥で二千万賠償のニュースが思い浮かびましたが、話題にはしませんでした。
 
 


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