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他人軸に左右されずに自分らしいキャリアを描くこと。

こんにちは、人生を開拓するキャリアパートナーのカトウシンイチロウです。
私は普段、個人向けのキャリアコンサルタントとして、様々な方の「働く」についてお話をお伺いし、彩り豊かなキャリアを描くために伴走したり、時にアドバイスを行っています。

私のnote内で何度も「彩り豊かなキャリア」という言葉を使っていますが、ふと気が付きました。

彩り豊かなキャリアって何?と。


今さらですが、私が思う言葉の意味を説明したことが無かったような。
というわけで、本日は「彩り豊かなキャリア」について書いてみようと思います。


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2、3年前くらいから「風の時代」という言葉を耳にするようになりました。

風の時代とは、「個人の自由と権利・平等性」など目に見えないモノ”に価値を置く時代ということです。(風の時代に対して、お金や土地などの物質に価値を置く時代のことを土の時代と言うらしい)

或いは、D&I(Diversity and Inclusion =多様性を受け入れる)の重要性が説かれています。つまり、一人ひとりが自分らしく生きること、同時に自分とは異なる特徴、価値観や信条を持つ誰かを認め、誰もが自分らしい生き方ができる社会を実現することがこれまで以上に求められている、そんな時代になりつつあると言われています。


私は、キャリアについても多様性がどんどんと生まれているように感じています。

コロナ禍となり、リモートワークを導入する企業が増え、働く場所の選択肢が拡がりました。
同時に、副業を認める企業が増えています。

また、会社からの給与収入以外にも、個人で収入を得るための方法やツールがどんどんと世に生まれてきています。
SNSを使った広告収入(Instagram, YouTubeなど)、フリマアプリを活用した商品売買、或いは電子書籍やnoteの有料記事などなど、数え上げればキリがないくらいのサービスが世の中に普及しています。

つまり、収入を得ることやビジネスを通じて経験やスキルを得ること、或いはネットワークを拡げることなど、以前では多くが会社など大きな組織を通じて実現していたことが、個人でも実現しやすい世の中になりました。

もちろん、大規模ビジネスに個人で挑戦することはハードルが高く、会社など大きな組織に所属した方が実現しやすいこともたくさんあります。

大事なことは、未だかつてないほどに様々な選択肢が目の前にあるという事です。


様々な選択肢がある中で、社会の一般的な考えや習慣、周囲の人々の価値基準ではなく、自分自身の価値基準や行動原理に基づいてキャリアを選択していくことを、私は「彩り豊かなキャリアを描く」と表現しています。
分かりやすく言い換えると、自分らしい個性を発揮したキャリアというような感じでしょうか。


しかし、自分の価値基準に振り切ってキャリアプランを描くことが、難しいと感じてしまうこともあります。

「一般的なレールから外れてしまって大丈夫だろうか。」
「周りの人から変な目で見られてしまったらどうしようか。」
「上手く出来るだろうか、失敗してしまったらどうしよう。」

このように自分自身の心の中で生まれる不安が、自分の判断や行動にブレーキをかけてしまうこともあります。

或いは
「そんなことをやっても意味がないんじゃないか」
「絶対に失敗するからやめておいた方がいい」
「○○というリスクがあるよ」
など、周囲の人からのアドバイス・・・・・が、あなたの行動に待ったをかけることもあります。

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私は過去に自分で描いたキャリアについて、近しい人たちから反対されたことが2度ほどあります。

1度目は新卒で就職をしたときのことです。

当時、やりたいことが見つかっていなかった私は就職活動を通じて100社ほどにエントリーをし、約60社の企業説明会に参加し、30社くらいの選考に参加して、2社から内定をもらいました。

1社は、就職活動の一番はじめに”面接慣れ”のために受けた企業が、あれよあれよと最終面接に進み、あっという間に内定が出てしまった企業でした。

今になって思うと、その企業は採用人数が多いわりに、仕事内容がハードという印象が強かったので、採用活動に苦戦をされていて多めに内定を出していたのかもしれません。

その会社のサービスはよく利用していたのですが、仕事内容に大きな魅力を感じられずに辞退することになりました。


もう1社は、実際に入社して働くことになったベンチャー企業です。
当時、社員が15名くらいで創業6年目を迎えやっと黒字化したというような、小さな小さな会社でした。
当然、周りの誰もその会社のことを知りません。

私は100社ほどエントリーした中で、唯一自分が入社して働くイメージを持てた会社だったので、その内定を受ける以外の選択肢はありませんでした。

しかし、前述のとおり小さな小さな知名度はゼロに等しいベンチャー企業です。いつ倒産するかも分かりません。(実際に3年間働いた中で、倒産の危機が2度ほどありました。)
#当時の社長の言葉「来月、融資が下りなければ解散です」

周りの大人たち・・・・は「大丈夫なのか?」「もっと慎重に判断した方がいいのではないか?」と、柔らかな言葉ではありましたが、やめておいた方がいいよ と囁いてきました。


確かに、いつ潰れてしまうかも分からない、聞いたこともない、なんだかよく分からない会社に自分の子供や親しい人が就職しようとしていたら「本当に大丈夫?」と感じてしまうかもしれませんし、良かれと思って声をかけてしまうかもしれません。

しかし、そういった優しい・・・大人たちであっても、代わりとなるような絶対に安全で成功間違いないキャリアの選択肢を与えてくれるわけではありません。(そもそもキャリアに”絶対”はありません)

また、有名で業績のいい大手企業に入社したからといって、自分が充実感を感じながら働けるかどうか、幸せになれるかどうかは保証されていません。(充実感を得るために必要な要素は人によって異なります。)


当時の私は、自分なりにリスクヘッジをしてベンチャー企業への入社を決めました。
具体的には、外部公開されていなかった財務情報の一部を開示してもらい、その内容を確認することで3年くらいならば倒産しないだろうと見込みを立て、3年くらいあれば一定のスキルを身につけて転職も出来るだろうとあたりを付けました。

振り返ってみると、私はそこまで企業分析に長けていたわけではないのでドンブリ勘定もいいところだったし、会社が倒産しなくても自分がハードワークについていけずに潰れてしまうなどのリスクについては、何も準備出来ていませんでした。
それでも、開示してもらった財務情報の内容は当時の私自身を納得させるには十分で、最初のキャリアを自分の意志で選ぶことが出来ました。


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2度目にキャリアプランについて反対されたのは、ワーキングホリデーに行くことを決めたときのことです。

社会人2年目のこと。
ずっと憧れだった海外生活にチャレンジすることを決めました。ただ、その当時は貯金も十分ではなかったので、約1年間の準備期間を計画して、渡航することに決めました。

社会人3年目になり、ある程度まとまった額の貯金ができ、ビザの取得などいよいよ渡航にむけて準備を進めながら、家族にもワーキングホリデーに行くことを伝えました。

すると親や親せきから、またも有難いアドバイス・・・・・です。

「ワーキングホリデーに参加しても英語が話せるようにならないよ」
「帰ってきて仕事なんてないよ」
「スキルも身に付かないし、その先どうするつもりなの?」

ちなみに、私にアドバイスをくれた親戚たちはワーキングホリデーに参加したこともなければ、海外生活もほとんど経験がない人たちでした。


私もワーキングホリデーに関する情報収集をする中で、1年間海外に住んでもそれほど英語が上達しなかった人の話や、帰国後の就職活動に苦戦した人の情報はたくさん耳にしていました。

それでも、私の中で「海外生活」というのは言い表せないくらいの大きな憧れであり、もし挑戦しなければその後の人生にもずっと「あのとき・・・」と残り続けることが見えていたので、渡航しないという選択肢はありませんでした。

最終的には周りの人々のあらゆる心配の声に対して「(根拠はないけど)なんとかする」の一点突破で、”大人たち”の説得もほどほどに渡航を決めてしまいました。

ワーキングホリデーに行った結果、TOEICのスコアなど英語力は多少伸びましたが、思っていたほど会話力を伸ばすことは出来ませんでした。
代わりに、10年以上経った今でも関係が続いている友人に出会ったり、後々のキャリアを拓くためのきっかけを手にすることが出来ました。
何より海外生活に対するコンプレックスに近いような憧れを払拭することができ、その後の人生において「日本でも海外でもどちらでもいいや」という解放されたような感覚を持てたことが大きかったです。


さらにワーキングホリデーから帰国して1年ほど経過した後、偶然なご縁もあって外資系企業に入社をしました。
海外に渡航したことと、外資系企業に入社したことには直接的な因果というほどの強いものはありませんが、スティーブジョブズ氏が言うところの「Connecting dots(点を繋げる)」が実現されたような感覚がありました。


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私がベンチャー企業に入社したのは、今から15年以上前のこと。ワーキングホリデーに参加したのも10年以上前のこと。
当時は、先々のキャリアプランなどと大それたものはなく、目の前にあるいくつかの選択肢の中から、自分自身にとって大切だと思えるものに飛びつくように選び取っていました。

特に、ワーキングホリデーに参加するために新卒で入社した企業を3年ぴったりで辞めたときは、いわゆる一般的なキャリアのレールから飛び出して、生まれて始めて自分の人生の舵を切ったような、興奮にも似たワクワクした気持ちと、少しの不安を感じていたことを今でもよく覚えています。

今思うと、あの時の決断が、自分自身のキャリアについて誰の価値観でもなく、自分自身で考えて決断した最初の、そして最も大きなターニングだったように思います。

その後のキャリアが必ずしもプラン通りのものになっているというわけではありません。しかし、勇気をもって決断をしたことに対しては、少しだけ自分を誇ってもいいのかなとは感じていますし、当時の決断を後悔したことは一度もありません。


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ベンチャーへの入社、ワーキングホリデーへの参加と、私のキャリアにとっては大きな転機となった2つのイベントについて、どちらの場合も「やめておいた方がいい」と柔らかに助言してくれる人はたくさんいました。

それでも、私が自分の価値観と信条に従って決断し、行動を起こせたのは、本当にごく一部の友人でしたが、私の決断を応援してくれた人たちがいました。

何気なく発せられた「いいんじゃない」
そんな軽い言葉にどれほど背中を押されたか。
「面白そうだね」という言葉にどれだけ救われたか。
そんな言葉をかけてくれた友人には今でもずっと感謝をしています。


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私は現在キャリアコンサルタントとして、様々な「働く」に関するご相談をお伺いしています。
転職しようと思っているけれど最初の一歩が踏み出せない。新しいビジネスに挑戦したいけれど勇気が出ない。
そんな悩みを抱える人は少なくありません。

かつて私が友人から背中を押してもらい勇気をもらったように、私自身も誰かの背中をすっと押してあげられるような、そういう存在になりたくてこの仕事を続けています。

誰もが自分らしく「彩り豊かなキャリア」を描けるように。


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