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試練の時 逃げるか? 立ち向かうか?

僕はアメリカの製薬会社で働く日本人研究者です。アメリカでは、仕事を失う経験を何度かしました。ある時は、尻尾を巻いて逃げました。ある時は諦めずに立ち向かいました。自分の大きな夢や目標を達成するためには、GRIT(グリット・やり抜く力)が大切と言われてます。大きな試練が来た時、本当に諦めずに立ち向かうべきか?逃げるが勝ちか?どのように判断するか?について自分の過去の決断を振り返ってみました。

尻尾を巻いてすぐに逃げた 初めての米国企業挑戦

アメリカに渡って5年が経った頃、初めての純米国製薬会社にポジションを得て、意気揚々としてました。それまでは日系企業ですが、アメリカで5年間、アメリカ人と一緒に仕事をしてきたので、当然同じように楽しく仕事をしていけるものと考えてました。自信もありました。ところが、以前ようなパフォーマンスはぜんぜん発揮できず、上司ともぜんぜん合わず、2年足らずでその上司にパフォーマンス評価で失格点をつけられてしまいました。クビを宣告された訳ではありませんが、数ヶ月以内に改善すべき項目をたくさん挙げられました。僕はその時点で、自分のパフォーマンスの改善に取り組むことなく、尻尾を巻いて逃げました。失格点をつけられた翌日に、次の就職先も決まっていないのに会社を辞めてしまったのです。

逃げるが勝ちの時

次の就職先もない状態で、会社を逃げるように去ったので、新たなポジションを得るまで半年の間、失業する羽目になりました。それでも僕にとっては、この「逃げるが勝ち」の判断は正しいものでした。3つの理由がその判断基準でした。

1.前兆

失格点をつけられる以前から、自分の中にモヤモヤ感がありました。上司と合わないこと、職場に馴染めないことで、夢だったはずのアメリカでの仕事がぜんぜん楽しいものになっていませんでした。会社を辞める前の数ヶ月の間、自分の夢がかなったはずなのに、「何だろうこのモヤモヤ感は」と思っていたのでした。自分の内なる声を何となく感じていたのでした。

2.人間関係

自分のパフォーマンスが悪いことを人のせいにするのは情けないことです。しかし、僕はこの問題の根底には、上司との人間関係の悪化があると感じていました。人間関係の問題の場合、自分だけのコントロール下でできることと、できないことがあります。自分とは全く合わなくても上司を取り替えることはできません。全力を尽くしても解決できない試練、このまま諦めずに立ち向かえば、心身ともにボロボロになる逃げるべき不健全な試練と感じました。

3.楽観できる

次の転職先が決まっていないにも関わらず、僕には「逃げても次がある」と根拠のない楽観がありました。アメリカで次の仕事を探せば、自分の夢はぜんぜんブレていないと思えたのです。この逃げは、次に進むステップと都合よく捉えました。

「逃げる」の先には、本当に「勝ち」があった

新たなポジションにつくまでには、半年間の失業期間を経験しました。しかし、その先には本当に「逃げるが勝ち」がありました。新たに入った会社では、素晴らしい上司や同僚に恵まれ、仕事も本当に楽しめ、自分の期待していた以上の経験がつめたのでした。

諦めずに立ち向かう時

上記の逃げ出して失業した時や、それ以前にレイオフにあった時も、アメリカで仕事をし続けるという夢は、諦めませんでした。アメリカで仕事を失うという試練には、諦めずに立ち向かったのです。立ち向かうべき試練にも3つの判断基準がありました。

1.自分の信条と一致

自分の本当に大切にしている夢や目標と一致していること。僕の場合、「アメリカで仕事をしたい、サバイブしていきたい」はブレずに貫きたいと思いました。だから、アメリカで仕事を失っても、日本へ帰るという選択肢はありませんでした。

2.ワクワク感

試練に立ち向かうことに、恐怖以上にワクワク感を持つことができました。

3.コントロールできる

試練に立ち向かうために自分が行動できることがいくらでもあると感じられることが、立ち向かうべき試練と判断する大切な基準です。自分と合わない上司を取り替えることはコントロール不可能ですが、アメリカで転職先を見つけるのであれば、自分のコントロール下でできることはいくらでもあります。

結局は、自分の直感を信じて、自分の奥底にある内なる声にしっかり耳を傾けて、逃げるか?立ち向かうか?を決めることが大切だなと思いました。




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