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【かつらのお話:人毛の長さ】


髷物、日本髪の鬘は長い人毛が必要となります。どのくらいの長さかといいますと、だいたい28吋~32吋が必要となります。

こんにちは。京都時代劇かつらです。今回は前回お話した材料毛・人毛の長さについてのお話です。

侍の御家人、女形などの日本髪のかつらには平均28吋の長さが必要になります。それより短いと髷の根まで届かなかったり、髷を折るのに長さが足りなくなってしまうからです。

毬栗坊主、明治物、虫入、襟毛などの貼毛は1寸や2寸5分など細かい長さで。調毛して、貼って形作っていきます。

そして襟切や かしき などの長さは20cm30cmとそれぞれ毛の長さを測り調毛整毛していきます。

ここであれ?っとお気付きの方もいらっしゃると思います。
そうです。出てきた長さの単位が違うのです。


寸(曲尺)、吋(インチ)、cm(センチメートル)の差し

画像では上から

寸(曲尺)

吋(インチ)

cm(センチメートル)

同じ【1】の長さでも比べてみると とても幅があります。
ここに和服などに使われる、寸(鯨尺)が加わってしまうともう何が何やらわからないですね。

人毛を人毛屋さんから仕入れる際の単位は
【吋(インチ)】

貼毛など材料として整毛すると【寸(曲尺)】

鬘が出来上がったら【cm(センチメートル)】

各々の状態で長さの単位が変わるのです。面白いですよね。

なぜなのでしょうか?

そこが実はまた謎なのです。

不思議な不思議な長さのお話です。

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