【かつらのお話:御家人】
前回まで製作していた立ち役の鬘も床山さんにお渡しし、綺麗に結い上がってきました。
こんにちは。京都時代劇かつらです。
前回で鬘師の仕事の終わった中剃りのかつら。一目で分かる、侍・武士の鬘へと結い上がり完成しました。
侍のこのかつら、映画の業界では、【御家人】または【かっつけ】などと呼びます。
御家人のかつらは、鬢(びん:両側頭部)も、髱(たぼ、つと:後頭部)も綺麗にピッチリと結い上げます。
御家人は一見、ただ纏めて髷を折れば良いように見えるので勘違いされやすいのですが実はとても難しく
『御家人は神経使う』
と、床山さんは常々おっしゃっています。
鬘の結いは単純に見えるものほど誤魔化しが利かず、腕の良し悪しがわかってしまうのでとても難しいのです。
御家人は、武士の髪型なので時代劇では毎回必ず出てきます。
鬼平の長谷川平蔵及び同心達
必殺の中村主水、渡辺小五郎以下与力同心達
暴れん坊将軍の徳田新之助こと徳川吉宗
遠山の金さん、大岡越前などなど
悪代官も、立ち回りの家臣達も御家人の鬘を掛けています。
ヒーローであろうが、悪者であろうが、為政者、士官し君主のいる侍、決まった集団に属する侍、はこの御家人の鬘になります。
公務員がきちんと身なりを整えてスーツ並びに制服を身につけているのと同じ感覚でしょうか。
さて、そんなどれも同じように見える御家人ですが、実は身分や役柄を如実に表している部分があります。
さてさて、それはどこなのか……
また次回もお楽しみに
※当noteでご紹介する写真は、全て筆者撮影のオリジナル写真です。被写体及び他者撮影の写真を使用する場合は、全て許可を得て掲載しています。当noteの文章・写真の転載、加工、二次使用はなんびとにも許可しておりません。ご注意願います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?