桂そうば(落語家)

落語家の桂そうばです。気のおもむくままに書きたいことを書きます。

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最近の記事

ジュリーの帽子は右上がりか左上がりか

野球の帽子を斜めにかぶり『沢田研二だ!』と言わなかった少年を探すのが難しい程、昭和生まれの少年達は誰しもが一度はする通過儀礼だった。 私の愛すべきキャラ・リョーユーパンのリョーちゃんもコック帽を斜めにかぶっている。リョーちゃんの場合は右目が隠れる左上がりだ(リョーちゃん目線で見て)。 リョーちゃんを何回も描き続けてふと思った。 ジュリーはどっち上がりなのだろうか。 YouTubeのジュリーが帽子を被っている動画を手当たり次第さぐってみた。 結論から言おう。 ジュリ

    • 一万円入りました

      お店で1万円札で支払いをすると、 「1万円入りました!!」 と絶叫するところがしばしばある。 なぜあんなにも大声で言うのだろうかと前々から気になっていたのだが、 この度、判明した。 例えばの話だが、 学生の時に視力検査をして、 視力が低いと妙に劣等感を抱いたことはないだろうか。 あれはおかしな話で、 現代社会で視力が少々悪くても問題になることはない。 メガネやコンタクトレンズは進歩しているし、 ましてや生活していて遠くのものを見る機会なんてそうない。 それではなぜ視力の悪

      • 蟻地獄

        蟻地獄という虫がいる。 砂場にすり鉢状の猟場を作り、一旦アリがそこへ足を踏み入れたら最後、ズルズルと下へ引きずり込み食べちゃう、あいつのことだ。 誰が命名したのだか、蟻地獄。 言い得て妙だとは思う。 しかし、どうだろう。 本当にこのネーミングは相応しいのだろうか。 もがけばもがくほど死に至る。正に地獄ではある。 けど、それは蟻にとっての話である。 一般的に蟻地獄と呼ばれている『ヤツ』にとっては、地獄でも何でもない。 エサにありつけるわけだから、天国ですらある。 けど、ヤツの

        • 私的読書感想文『アルジャーノンに花束を』

          『アルジャーノンに花束を』ダニエルキイス著を読む。 知的発達障害者に脳の手術を施し、賢くなっていく過程とその後を書いた作品。 全編、手術をされた主人公のチャーリーがドクターに向けて書いた報告書という形を採っている。 アルジャーノンとは、同じ手術を施されたネズミの名前。 私の心に残る映画のひとつに『レナードの朝』がある。パーキンソン病(正確には違う病気)を患った患者に薬を投与すると、劇的に改善していくが、その効果は長くは続かないという話だ。 2つの作品はテーマと話の展開がす

        ジュリーの帽子は右上がりか左上がりか

          皿屋敷考

          私はこう見えて、結構合理的な人間である。 普段の生活はちゃらんぽらんなのだが、落語のセリフで合理的ではないセリフが入ると、『んっ?』と結構引っかかる。 落語『皿屋敷』で、青山鉄山がお菊さんを責める時にこんなセリフがある。 「お菊を荒縄で高手小手に縛り上げ………余った縄を井戸のくるまきに結びつけ………長いやつをズバー、袈裟がけじゃ。これからこれへザクッと切れた。かえす刀で結び目をプスッ。井戸の中へザブーン。無惨な最期」 高手小手、よく落語に出てくる言葉だ。天狗裁きなどにも

          私的読書感想文『海賊と呼ばれた男』

          『海賊と呼ばれた男』 百田尚樹 出光佐三をモデルとした経済小説。 すごい人生ですね。 激闘に次ぐ激闘。常に何かと戦っている。 最初は国内同業者。 業界に後乗りしたので、既存同業者に数々の嫌がらせを受ける。 そこは社員一同の突出したマンパワーで突破。 ベスト10入りぐらいの会社になるのだが、他の日本企業は海外企業との間に業務提携という名目で乗っ取られてしまい、出光vs世界石油企業という構造になる。特にセブンシスターズと呼ばれるトップ7の欧米からの嫌がらせは熾烈で、売る力はある

          私的読書感想文『海賊と呼ばれた男』

          私的読書感想文『1984年のUWF』

          『1984年のUWF』柳澤健 名著ですね。 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか』にも引けを取らない名著だと思います。 こちらの方が、分量的にも内容的にも比較的ライトではありますが。 アントニオ猪木のプロレス最強説を受け継ぐ者達の物語。 プロレスはショーなのか真剣勝負なのかという、最も基礎的な問題でありながら永遠の問題に、一つの解答を提示してくれている。 それは携帯電話の明るさ調整に似ているような気がする。 高明度がショー的要素で、低明度が真剣勝負的要素だ。 明度を

          私的読書感想文『1984年のUWF』

          日本対スペイン 観戦記

          東京五輪男子サッカー日本対スペインをTVで観戦。 0-1。 完敗。 戦う前は五分五分で行けそうとか言ってたんですけど、蓋を開けてみたら、かなりの実力差がありましたね。すいませんでした。 内容的には10回やって9回負けてる内容だったと思います。ただ、その中でも必死に耐え抜き、PK戦でのワンチャン勝ちもあり得る状況まであと少しというところまで持ち込んだことは、賞賛すべきことだと思います。 《所感》 足元の技術が個人個人で10%ぐらいスペインの方が高くて、それが積み重なってチーム

          日本対スペイン 観戦記

          雲の上からサッカー観戦記

          観戦をあきらめていたのだが、北海道へ向かう飛行機の中、雲の上でWi-Fiを駆使し、後半20分からサッカー男子五輪代表の対ニュージーランド戦を観戦。 Wi-Fi悪環境の為、途切れ途切れになるし、画素はファミコンの初代サッカー並だったが、なんとか観戦できた。 PKの日本の3人目で着陸の為、Wi-Fi遮断され、結果は見れず。 0-0(PK4-2) 《所感》 いい試合でしたね。 感動しました。ニュージーランド代表に。 こんなに組織化されたサッカーは、代表戦ではなかなか見ることが出来

          雲の上からサッカー観戦記

          五輪男子サッカー観戦記

          東京五輪 サッカー男子日本代表をTVで観戦。 日本対フランス 4-0 強豪相手に圧倒。 私が五輪サッカーをちゃんと見出した1996アトランタ五輪以降のオリンピック代表の中で見ても、今回のチームは歴代最強と言っても過言では無い。 南アフリカ戦とメキシコ戦も見たが、負ける気配は全くなかった。 《所感》 フォーメーションは4231      CF 左SH   久保   堂安   田中碧  遠藤航 左SB 酒井宏   

          五輪男子サッカー観戦記

          関西人と九州人

          会話術、と言うか、会話型について。 久しぶりに福岡の友達と会うと、 関西人と九州人の会話が明らかに違う形式で成り立っていることに気づく。 とても意外だが、関西人の方が人の話は聴く。 それはおそらくツッコミの文化があるからで、 聞き手はベストなタイミングでツッコミを入れたいがために、話し手の話を全身全霊で聞いている。 それは一見すると、相手の話を盛り上げる為の凄く利他的な行為の様に見えるが、 実のところ、一番大きな笑いを取ってやろうという、超利己的な欲求によるものである。

          関西人と九州人

          菓子パン

          最近、菓子パンを食べるようになった。それ以前は30年近く食べていなかった。よく食べていたのは中学生時分で、銀色の包装に包まれてエクレアの超巨大バージョンのような「銀チョコ」と、名前は忘れたが、ミスタードーナツのオールドファッションを馬蹄状にねじらせた物、渦巻き状のパンにケロイド状の砂糖がまぶさった物をよく食べていた記憶がある。 が、しかし、同世代の九州男児なら誰しもそうだろうが、菓子パンを食べるなんざぁ男じゃねぇ!という不文律のようなものが九州各地には存在していたので、知ら

          タトゥー、いれずみについて

          タトゥー,いれずみは随分と市民権を得て来たように思う。 私は「ちょっと怖いな」とは思うが、そのことによって、その人の人物評価が変わることはない。 好きにしたらええやん、というスタンスだ。 自分がやるかと言われれば、死ぬまでしないと思う。 なぜタトゥーを入れたのですかという質問には、だいたいは「絶対に忘れないように身体に刻み込んだ」という回答が多い。 ここに疑問が生じる。 身体に刻み込むことなく、絶対に忘れないことは可能なんじゃないかということ。 身体に刻み込まないと忘れて

          タトゥー、いれずみについて

          私的読書感想文

          『引き抜き屋』1・2巻 雫井脩介 出ました! 大当たり中の大当たり! コロナになって数多くの作品を読んできたが、No.1と言っても過言ではないだろう。 好き。大好き。 ジャンルとしては現代経済小説になるのだろうか。 そんなジャンルがあるのかどうかも知らんけど。 とにかく読んで欲しい。 騙されたと思って読んで欲しい。 面白くなかったら、私が責任取るから。 じゃあどうやって責任を取るんかと言われたら、そこまで考えてないけど。 内容は詳しく書きたいけど、これから読む人の楽しみ

          私的自分観察

          実家に帰って、朝ごはんにコーヒー牛乳を飲もうと口にすると、それが具の少ないビーフストロガノフだった。 『うえっ、何これ。ビーフストロガノフやん』って言うと、母親の機嫌が俄然悪くなった。 という、夢を見た。 ここで画期的だったのは、夢の中で明確な味を感じたことだ。 今までは、美味しい・不味いなどの大まかな味覚(というか評価、感想)は夢の中であったのだが、明確に何かの味だと認識することはなかった。 凄い進化だと思う。 味覚に限らず、この進化が進んで行くと、もう夢と現実の境目が

          図書館の本の書き込み

          図書館で本を借りると、先に読んだ誰かが書き込んでいることがある。 葉室麟の作品を立て続けに借りると、カギかっこの書き込みをしている人がいた。しかも〆のカギかっこだけ。始まりのカギかっこは一切無い。脱字を訂正しているというわけではない。 何だろう? 1時間程読み進めると、次の〆のカギかっこが現れる。 また1時間程読み進めると、同じく出現。 わかった。これはしおり替わりだ。 読み終わった所に印をつけているのだ。 だいたいストーリーの区切りのいい所で〆のカギかっこが現れる

          図書館の本の書き込み