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まちデザで得た刺激から、勝山発の新事業立ち上げが進行中!/まちづくりプレイヤーに聞くvol.8

こんにちは!勝山DMOの広報です。
私たちのnoteでは、福井県勝山市を盛り上げようと頑張るまちづくりプレイヤーの声を紹介しています。

今回ご紹介するのは、福井市のソフトウェア会社に勤務する友田善憲さん。勤務する会社の事業の一環で、子ども向けのプログラミング&ロボットスクールのカリキュラム製作とSNS運営を担当されています。そんな友田さんですが、新たな学びを得るためにまちのデザインスクール2023に参加。そこで得た学びや刺激を元に、勝山市で「養鶏」という他業種での新事業立ち上げを進めていらっしゃいます。

そこで今回、まちデザの学びや感想と新事業についてお話をお伺いしました。

はじめに/まちのデザインスクールとは

まちのデザインスクール、略してまちデザ。多種多様な分野で活躍する人を講師に招き、まちづくりやビジネスに使えるデザイン思考「問題の本質を掘り下げ、解決のための設計を行う」が学べる勝山発のワークショップイベントです。2021年に勝山市の地域創生事業の一環としてスタートし、今回で3回目の開催となりました。

2023年度ポスター

子どもが主体的に学べるスクールを運営

ー まずは友田さんのご自身のことについて教えてください。
僕は福井市生まれ、大学は農学部出身で、初就職先が勝山市の牧場でした。農業や畜産業が好きで独立も考えてましたが、牧場が運営する店舗のチラシデザインやPR業をきっかけにデザイン業の道も面白いなと思い、デザインの職業訓練を経て、現在務めている福井市のソフトウェア会社へ転職しました。
現在のメインのお仕事は、フランチャイズで展開している小学生向けプログラミング&ロボット工作教室のスクールカリキュラムの設計やイベント企画運営、子どもたちに渡すチラシのデザインや編集、ワークショップ講師、SNS運用などを担当しています。

ー お仕事内容がとても幅広いですね!このスクールでは具体的にどんなことが学べるのでしょうか?
「モノづくり」と「プログラミング」の体験と学びを通して「思いを実現する力=生きる力」を身につけることをコンセプトに、某有名模型メーカーさんとタッグを組んでスクールを全国展開しています。
カリキュラムには、「IchigoJam(いちごじゃむ)」(*)を使ってロボットを思いのままに制御するためのロボットプログラミングコースや、ロボットの組み立てを通して機械の仕組み・構造が理解できるメカニックコースがあります。プログラミング教育が義務化されて3年程になりますが、キーボードで文字を打って終わりではなく、ロボットを組み合わせることで子どもたちが主体的に学べるような内容を提供しているのが他スクールと大きく異なる強みです。

(*)初心者向けプログラミング言語「BASIC」を現代風に復活させたプログラミング専用こどもパソコンのこと

ー プログラミングというと難しいイメージですが、参加する子どもたちの様子はどうですか?
楽しんで参加している子やスラスラ完成させちゃう子など様々です。確かに難しいイメージがあると思いますが、子どもたちには難しく考えないよう、「ロボットをどうやって動かすか」という目的に向かってどうプログラミングしていくかを自然に考えれるようなカリキュラム設計にしています。プログラミングは文法で、コンピューターとの対話なんです。それを自然と身に着けてもらえるようにいつも意識しています。

すぐに実践できて効果が生まれる、まちデザの学び

ー 今回まちデザ初参加ということですが、どうやってお知りになったのでしょうか?
2022年度の開催情報をインターネットで見たのがきっかけでした。「勝山でこんなことやっているの知らなかった!参加したかった!」ということを思っていて、2023年度も開催するというお知らせを見てすぐに申し込みました。

ー それは嬉しいです、ありがとうございます!今回は4つのセミナーに参加されましたね?
そうです。「ターゲットに響くPR戦略のはじめかた 〜」、 「本業を支えるYouTube活用とは? &学生による勝山空き家改修プロジェクト」、「コンセプトのつくりかた〜新しいサービス、商品の可能性を考えよう〜」、「企業が関わりたくなる”まちへの投資”という文脈づくり」の4つです。どれでもそれぞれ発見や学びがあって、セミナーの後に仕事の場で実践しています。

ー 例えばどんなことが活かされてますか?
Chapter5.の株式会社ワサビの笹岡さんが教えてくださったコンセプトの作り方は本当に勉強になりました。僕自身、スクールのカリキュラム設計やイベント企画など行っているので、コンセプトづくりは欠かせません。いくつか本を読んで独学していましたが、結局何から手を付けたらいいか分からないというモヤッとする部分を笹岡さんに紐解いていただいたように思います。
コンセプトを作るためにまず過去を棚卸したり未来を想像したりして「リサーチ」すること、それを元に枝葉を付けるようなイメージで「マインドマップを作る」こと、そしてそれを土台に言葉とビジュアルで「表現」に落とし込んでいくこと。実際に企画する時など何度も実践していて、この方法論を持ってミーティングに臨んでみると、物事がスムーズに進むようになりました。既に様々なプロジェクトを成功させている笹岡さんのお話も相まって説得力もありましたし、本だけでは読みとけないメソッドを実際に教えていただけて有意義な時間でしたね。

ー 素晴らしい学びですね!「本業を支えるYouTube活用とは? &学生による勝山空き家改修プロジェクト」の回もお仕事に繋がりそうですが、いかがでしたか?
実際にYoutube活用は考えていないのですが、守屋さんと中村さんがYoutubeからコミュニティづくりを成功させたプロセスがとても勉強になりました。Youtubeの前にnoteを運用されてたとのことですが、最初から「ターゲット」が明確に決められていて、一級建築士を目指す学生たちのニーズが掴めている。届ける軸が定まっているからこそここまで盛り上げることができるのだなと納得しました。今やっている施策などのターゲットを見直して、仕事の場で活かしていきたいと思います。

まちデザで出会った人たちに感化され、養鶏場のアイデアが実現化することに

ー 方法論などの学びの他に、得たものはありますか?
一番は勝山で頑張る人たちとの出会いでしょうか!
まちデザを通して、様々なバックグラウンドの人と出会いました。スクールで参加者の話を聞いたり、実際に自分のやっていることや想いについて話しているうちに、ふと、「そういえば自分も養鶏をやりたったんだった」と気付きまして(笑)一人で養鶏場をやるのは大変なのですが、こうやって人と関わりながらやってみれば、もしかしたら実現可能かも?と思うようになりました。
特に大きな出会いだったのは、農遊コンシェルジュの土田さんです。お互い農業が大好きだという共通点があり話が盛り上がり、土田さんを介して養鶏場のアイデアを面白いね、と言ってくれる声が出だしたんです。そこから農林課へ相談へ行ったりと、まちデザ参加がきっかけで勝山での新事業立ち上げが着々と進んでいます。もっと年を重ねてからやろうと思っていたアイデアですが、みなさんに感化されて動くことに決めました!(笑)

ー 素敵すぎます!養鶏場はどのようなスタイルで行われる予定ですか?
鶏がのびのびと過ごせる平飼いの養鶏場を予定しています。
平飼いスタイルは「資源と経済が回る」と僕は考えています。鶏のエサは地域で出たくず米や麦、商品にならなかった食品残渣などを。それを食べて鶏が生んでくれた卵や肉を地域の人たちに食べていただく。鶏糞なんかは畑の肥料として役立ちます。平飼い養鶏場で地域循環を作りたいです。

ー 地域が循環するイメージが浮かんできます。友田さんの鶏への愛情も伝わってきました(笑)
鶏は昔から大好きです(笑)
畜産業というのは基本的に山奥などの人里離れた場所にあることが多いので、普通に生活していたら出会わないですよね。それも相まって、一般的な畜産業のイメージはあまり良くないと思います。だから今回、まちデザの場が体現している人との関りやコミュニケーションの在り方を少しでも参考できたらなと思っていて、養鶏場はできるだけ地域の人と関われる場所に開きたいなと考えています。実際に自分が育てている鶏たちの姿を見てもらうことで、畜産業の面白さや素晴らしさに触れてもらいたいです。特に子どもたちとはコミュニケーションを取って、命をいただくこと、を体験してほしいなと。
まだまだスタートしたばかりですが、地域の人と関わりながら、楽しんで挑戦していきたいと思います!

笑顔でこれからの挑戦を語る友田さん

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友田さん、貴重なお話ありがとうございました!
プログラミング&ロボットスクールの現在のお仕事に加えて、養鶏場という新たな事業にチャレンジすることに決めた友田さんのお話は、地域循環と畜産業の新しい未来の可能性に満ちていました。今後の動きが楽しみでなりませんね!

まちのデザインスクールは、2024年度より新しいカタチで開催を予定しています。今後の最新情報をお見逃しなく!
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プロフィール

友田善憲
福井市出身。勝山市在住の二人の子供を持つ父親です。
大学で農学系の学部を卒業し、牧場で働いた後、IT業界へ転職するという少し変わった経歴。 現在はプログラミング教育事業に携わり、子どもたちが楽しくプログラミングやものづくりを学べるコンテンツを製作しています。


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