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映画 「アンテベラム」

 アカデミー賞を受賞した「ゲット・アウト」(2017年)の制作者による映画。「ゲット・アウト」は黒人男性を主人公にしたホラー映画だったが、今回は黒人女性を主人公にした、同じ趣旨の映画。

 黒人女性ヴェロニカは、人種差別・男女差別・階級差別から自立した女性となるべきと主張する、社会活動を積極的にこなす社会学者。
 オープニングから、ヴェロニカと同じ容姿の奴隷エデンが綿畑で重労働と暴力に抑圧される場面が交錯する。現代のヴェロニカの潜在意識の中に奴隷エデンが存在する、サイコホラーかと思った。
 しかし現代のヴェロニカと奴隷エデンの存在の違和感は、徐々に明らかになる。

 人種・男女・階級差別をベースの社会派ホラーと言われるジャンルの映画だが、主人公ヴェロニカが女性の自立を主張する立派な学者の割に、残酷な方法で白人を殺害する場面に戸惑う。また、初めに夫と娘の3人家族の生活が出るが、その後夫娘が登場しない、3人家族の場面はいったい何の意味があるのか分からない。

 人種差別か、男女差別か、ホラー映画か何か一つに焦点を集中したらわかりやすいが、どれも詰め込み、焦点が散漫とした印象でした。

全国公開中
2020年 米国 106分
監督・脚本 ジェラルド・ブッシュ クリストファー・レンツ
出演 ジャネール・モネイ エリック・ラング ジェナ・マローン


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