【転職】超人手不足の航海士②【普通に憧れる若者】

「やめられないよね無い物ねだり」

どうも元銀行員の航海士です。

前回の記事では航海士が超人手不足の理由の一つに船員の高齢化があるという現状をぼんやりとだけ説明しましたが、今回は若者の現状です。(ここでの若者は新卒から20代前半までのことを指します。)

航海士の仕事は特殊が故、せっかく免状を取ってもやめていく若者が多いのです。

なぜか?

一つの原因として、新卒で航海士になった人間は陸に憧れを持ってしまうのです。

学校を卒業し、それまで住んでいた土地を離れ、家族、恋人、友達も会えず社会人として船に乗り込み、数ヶ月帰ることができない。

明らかに「普通」ではないのです。

私が銀行員だった頃は、毎日自宅で目覚め、会社に行き、同僚と歓談し、仕事が終われば嫌な上司とはさよなら。休日は友人や恋人と過ごしたりする。

5日働いたら2日休み、たまに祝日が重なって3連休。年に1度コンプライアンス休暇で1週間連続有給取得できるけど、お盆とかはカレンダー通り。

なんて素晴らしき味気のない生活なのでしょうか。

ですが、これが大多数の日本人に取って普通の生活なのでしょう。

私が航海士になった理由の一つにはこの薄い味のガムを延々噛み続けるが如き、つまらない人生を終わらせるという意味もありました。

私は現在3ヶ月乗船し1ヶ月丸々休暇という勤務体系を取っています。

私に取って休暇はいわば減量中のチートデイのようなものです。

3ヶ月我慢したご褒美に1ヶ月思い行きり休暇を楽しむことができます。

休暇前日なんて楽しみすぎて一睡もできません。

乗船中は自分のお金を使うことはほとんどないので、下船時にはまとまった遊ぶ金もあります。(乗船中のお金の話はまた別の記事でお話しします)

休暇中は「無敵」です。

しかしながら、陸を経験していない人間からしたらこの劇薬のような勤務形態を楽しむことができないようです。

船しか経験のない人間は、自分が船に乗っている間、陸のことが気になって仕方がないようです。

今はSNSで色々な情報が手に入ります。

友達が楽しそうに遊んでる様子や、ライブなどイベント、季節の行事、家族や恋人の存在が、薄い板を通して若者の心に絡みつき、なかなか離れてくれないようです。

もちろん若者に限った話ではないのでしょうが、この傾向は特に社会経験のない新卒に強いようです。

そして普通に憧れた人たちは船を去ってしまうのです。

このことが超人手不足の1つの理由となっていると考えます。

現在は国も危機感を持って若者の育成に力を入れていますが、全く追いついていないのが現状です。

そのおかげで私のような畑違いから来た変わり者の人間でも大切にしてもらえるのですが。

なんにせよ将来的にベテランもやめていくうえに、若者もやめていくという現状があるが故に人手不足が進んでいる状況です。

逆にいうと私のような1ヶ月の休暇を魅力的に感じかつ、陸に未練のない人間とっては、最高の職場だと言えます。

船はいつでもあなたを待っています。


これを見て興味を持った方、私のnoteでは私の経験に基づいて航海士への転職についての情報を発信していきますのでよろしければお付き合いください。



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