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青春を超える青春

「誰でも青春を味わうことはできますよ。」

先日、夏休みについて知り合いと話をしていた。学生の間しか青春らしいことはできないから今楽しむしかないですよね、と私がいうと、彼はこのようにいったのだ。

ハッとした。私は、大人は仕事で忙しく、夏休みなど存在しないから青春といえるようなことはできないと勝手に決めつけていた。しかし、夏休みがないことや、忙しいことは青春らしいことができない理由にはならない。夏休みがないなら作ればいい。一日休みがあれば大人であっても青春といえることはできる。
 
 そもそも青春とはなんだろうか。学生時代に同年代のひとたちとある目標に向かって切磋琢磨したり、馬鹿な事をすることだろうか。大人だって目標に向かって必死に仲間と共に働くし、馬鹿なことだってする。大人であっても子供のようにはしゃぐことはできる。海に行き、BBQをする。ドライブをする。旅行をし、夜はベッドの中で恋バナをする。全部、学生限定ではない。大人だって楽しむ権利はある。

何が違うのだろう。おそらく、子供心の有無だろう。大人になったら青春を味わえないと思ってしまうのは、社会に出た瞬間に子供心を捨てなければいけないと無意識に思ってしまっているからだろう。社会に出る=ただ真面目に黙々と働くこと、ではない。働くときは働き、遊ぶときは遊ぶ。童心を忘れずに、楽しいと感じる事に時間を割くことで大人になっても青春を味わえるのだ。社会に出たからといって、精一杯楽しむ時間を過ごす権利は誰にでもある。休むことに罪悪感を抱く必要などないのだ。大人でも青春を味わうことは許されるのだ。

「毎年、前の夏を超えられるようにしているんですよ。最近は年を取ってきてしまったので難しくなってきましたけど。」

そう微笑を浮かべながらいう彼は、楽しそうに見えた。

 私はあと二年半で大学を卒業する。一般的に考えると青春を謳歌できるのも二年半。しかし、大学卒業後も楽しんでいいし、青春だといえることをしていいのだ。社会に出ても、彼のように青春を謳歌しようと思った。


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