読書記録「容疑者Xの献身」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」文藝春秋 (2008) です!
・あらすじ
江東区は清洲橋近辺の「べんてん亭」という弁当屋で働く花岡靖子は、自宅に押しかけてきた元夫の富樫慎二を殺害してしまう。殺すつもりはなかったが、娘を守るために電気のコードで首を締めてしまった。
自首しようと悩んでいた時、物音を聞いたのか、隣に住む数学教師 石神が訪ねてくる。自首を促すかと思いきや、なんと殺人の隠蔽工作に手を貸すという。
後日、警察は江戸川区の堤防にて死体を発見する。顔も指紋も潰されているが、現場に放置されていた自転車や、彼が泊まったとされる部屋から髪の毛が出てきたことにより、死体は富樫慎二のものと思われる。
すると当然、容疑者として最も疑われるのは元妻である花岡靖子なのだが、犯行時刻にアリバイがあることから、なかなか決定打を掴めないでいた。それも全て、石神の論理的思考通りに進んでいた。
事件を追っている草薙は、親友であり帝都大で物理学を教えている湯川学に対してこの事件を打ち明ける。奇妙な縁もあるようで、なんと湯川と石神は同じ学年だったという。
あの湯川が天才的な数学者だと言うほどの石神は、果たしてどんなトリックを使ったのか。またなぜ石神は花岡靖子を庇うようなことをしたのか。
半年くらい前に会社の先輩からおすすめの作品として紹介されたのもあり、久方ぶりにミステリー熱が出てきたため紐解いた次第。
読み手としては犯人が最初から分かっているものの、なかなか殺人の証拠を見つけられない警察たち。逆になぜトリックが見破られないのかと、石神のいくつもの先を見通したロジックには恐れ入る。
だがどうして、石神は隠蔽工作に手を貸したのだろうか。ネタバレになるため詳しいことは言えないが、何もそこまでするのかと、なぜそんなことができたのだろうかと。
そして、花岡靖子に対してそこまで考えていたのかと。
タイトルが「容疑者Xの献身」というように、石神が花岡靖子に対して持っていたのは、"心に一点の曇りも持っていない"彼なりの献身だった。
確かに、これは劇場で観たくなる気持ちもわかるなと、ラストのシーンに思いを馳せる。ちょっとDVDレンタルしようかしらん。それではまた次回!
今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。