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菊理媛と柿本人麻呂

荒川裕二さんの『スサノオと行く生と死の女神、菊理媛を巡る旅』を読みました。出雲移住(大根島)のきっかけとなった、縁ある友だちから借りて、一気読み。そこには、わたしの島根移住にまつわるキーワードがいっぱい。それがすべて、つながっていたのです。

3年前に島根移住を決めたのは、素戔嗚が祀られている埼玉県の川越氷川神社境内に、柿本人麻呂の祀られている「柿本神社」もあり、俳句を詠む言葉の神さまということで、日々お参りをしていたご縁です。

川越氷川神社 柿本神社


柿本人麻呂が亡くなったといわれる場所が島根にあり、不思議な流れで島根県益田市へ移住をすることが決まりました。

柿本人麻呂に惹かれた理由は、「持統天皇の時代に言霊師として、死者(位の高い低い分け隔てなく)詩を詠んでいた」ことから、魂(土地)を鎮める大切な役割をしていたのではないか。そう考えるだけで、心が不思議とざわめき、その土地へ住みたいという思いでのスピード移住でした。

そして、益田へ移住してからわずか1年ほどで、出雲へのご縁ができてしまいました(笑)。

多くの方に助けられながらも、大根島へ弾丸移住。地域の聞き書きをしたり、地元の仙人と呼ばれる人のお話会をしたりと楽しく過ごしていました。

ここには明治時代に英訳された『古事記』を読んで、日本に惹かれた小泉八雲が住んでいたことでも有名です。

見えないものへの憧憬

さらに『出雲風土記』も残されていて、私のような歴史好き、神社好きにはたまらない土地でした。

黄泉平坂(よもつひらさか)

島根の第一印象は「雲が多い」。だから山陰なのかと、納得するような曇り空の日々。私はこの空にハマりました。同じ空はひとつもなく、雲から差し込む強い太陽の日差し「天使の梯子」が一年中楽しめます。

神さまが近い山陰に、イザナギとイザナミの神話の舞台が実際にあるなんて❣️ 黄泉平坂へ案内されたときは、驚きと感動でした。

亡くなった人への祈りをしているうちに、いつの間にか泣きながら話しかけている自分がいました。いつも見守られている。魂はそこにある。

あの世とこの世の境目。菊理媛(くくりひめ)は、その生と死をくくる神。

私が言霊を詠む柿本人麻呂に導かれて島根へ来たのは、すべての存在がそこにあることを体感したかったのだと感じます。

また別の場所へ行きますが、さらに深くわかる、そんなことがあるのでしょう。

魂に境目のなき春の闇 ことだまこ

ここまで読んでくださりありがとう。





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