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T2トレインスポッティングごっこをする

原宿駅で降りて友人と待ち合わせる。そのまま竹下通りを歩いて明治通りにでるまでに米軍放出の古着を扱っている店が2店舗、明治通りの信号をわたって右折し数分でもう一店舗、そこから渋谷まで一緒に歩く。途中の東京ファントムにも立ち寄る。そこは新品しか扱ってないので眺めるだけ。渋谷センター街に出るがそこからは私らが行くような店はない。ただそのまま駅まで歩く。そこで別れるか、元気があれば秋葉原か中田商店まで行く。これがいつものルート。

竹下通りの2店舗に出るジャングルファティーグはほぼリップストップのグリーンかウッドランド迷彩ばかりだった。タイガーやデザートは見かけたことがない。

見慣れてくると遠くからでも吊るしの迷彩は把握できる。ほぼ海兵隊スタンプ。縫い付けられたパッチにたまにレアなものがあるので、パッチ目当てに買うこともある。帰宅して外して自分のお気に入りの物に縫い付けたりする。

ある日、遠目からでも違う種類の迷彩があることに気づく。二人で近寄り、「おお、これは後期のリーフパターンだ珍しい」とかいいながら買う。リーフパターンはその時くらいしか放出品ではみつけられなかった。

今日、古着屋で後期のリーフパターンをみつけ、その時いつも巡回していた友人に画像とメッセージをウケ狙いで送ろうとしたが、iPhone初心者の私は彼に電話をかけてしまったらしく、ショートメッセージ作成画面にならず、焦ってメインのボタンで切断した。

数分後、ほぼ着信のない私の携帯端末が鳴った。彼からだった。申し訳ないことをしたと思いながら電話にでる。「やあ久しぶり、お電話いただきまして……」と彼の声が聞こえる。最後にしゃべったのは20年くらい前だがあの時と同じ声だ。久濶を叙し、なぜ電話をしてしまったのか、という上記の言い訳をし、世の中が落ち着いたら東京に行くのでそのときT2 トレインスポッティングごっこでもやるから生き残りましょう、みたいな会話をして2分程度で電話を切る。今日の会話で学生時代と同じスタンスで付き合いできることを確信した。操作間違いもたまにはいいことがあるものだ。彼の電話代で話してしまって本当に申し訳なかった。東京に行ったときに自販機の飲み物でもがっちりおごってあげようと思う。


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