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ワルターのマーラー交響曲第1番

らじるらじるで「クラシックの庭」を聴いていて、マーラーの交響曲第1番が流れた。ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア管弦楽団の演奏。

父が持ってたCDもワルター指揮だったような気がした。

父のCDはいまうちにあるので現物を確かめたらやっぱりそうだった。『ワルター不滅の記念碑』というCDでコロンビア交響楽団。ただ、ジャケット(彫刻)がこんな絵だったっけ?としっくりこなくて探すともう1枚あった。ノイマン指揮のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のもの。ジャケット(お城)も記憶のイメージに近い。よく聴いて頭に刷り込まれてるのはこちらだったかもしれない。その後もう1枚(肖像画のジャケット)出てきた。父、マーラー好きだった。

父のマーラーのCDを並べてみた。
1番は3枚、2番は2枚、
大地の歌も2枚。

らじるらじるで聴いたのはこのワルターのCDの演奏だったのか、それともまた違う盤だったのか、ゆっくりめのテンポの演奏だった。

そういえばコロンビア管弦楽団とコロンビア交響楽団て別物なのか翻訳が違うだけなのかな?と検索すると、
コロンビア交響楽団(または管弦楽団?)は覆面オーケストラ!
知らなかった。覆面オーケストラとはレコード会社が録音のためにどこかのオケを名を伏せて使ったり、録音用に人を集めて作ったりしたオケだという。そうだったのか。

Wikipediaを斜め読みしたところによると、1950年代にコロンビアレコードが、新しくできたステレオ録音技術でレパートリーを録音しましょう、とカリフォルニアで半ば引退生活をしていたワルターに声をかけた結果、今でも高評価の演奏が残った、でもそれ以前のモノラル録音の演奏も残り続けている。

ラジオではマーラーの弟子のワルターと紹介されてた気がするけど、Wikipediaでは部下で親友、と書かれている。

この曲を聴くときの私は、3楽章が終わりかけて静かになってくると、次はジャーンだぞ、ジャーンが来るぞ、と頭の中で四楽章の頭の部分がリピートし始める。にもかかわらず、4楽章の鳴り出しでやっぱりビクッとしてしまう。近くで同じ音が聞こえているこどもは何の反応もない。なんでびっくりしないのか不思議。昔、音楽の授業で聴いた時、居眠りしてた人たち飛び起きてたけどなあ。あのとき先生はうれしそうに微笑んでいた。

私はこの音で毎度びっくりする。もしかして生演奏やテレビ放映だったら指揮者を見てれば出のタイミングがわかるから驚かないかもしれない。ラジオやCDではこのくらいの間で来るかな、と予想しててもぴったりは分からないから、だんだん膨らむ風船を持たされてるのに似ている。ジャーンを聴いたときの気持ちは、重大な忘れ物に気づいた瞬間や、衝撃的悲報にふれた瞬間に似ている。緊急事態の気持ち。

だけどこの曲は結構好きで何度も聴いてしまう。管楽器も大活躍で楽しい。クラリネットのカッコウとかトランペットのファンファーレとか。今回こそはびっくりしないぞ、と構え、やっぱりびくっととして、マーラーの音楽すごいな、って思う。