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自分の何気ない表情に気づくリモート画面

 息子の親離れを感じて、私も子離れしなきゃなーと少しずつ自分の気持ちを立て直しているけど、毎週土曜のリモートは楽しんでいる。
 私はそれほど話さないけど、もしかしたら異性の親ってそんなものなのかもしれない。父は、母と話す私の顔を少し見るだけで満足するようだし、私も自分が話したいわけじゃなくて息子の顔を見てホッとする。

 それにしても。
 リモートで垣間見える私の顔って。

 だらしがないのね。

 誇張しているわけじゃないのよ。
 息子を見ている時の表情が、祖母や母が私を見る時の表情とすごく似ていてびっくりする。もしかして祖母も母も私を可愛いなあと微笑ましく眺めていたのだろうか。

 特に話すこともなくなってきて「今日はそろそろ終わろうか」と言うと「うーん。切らなくても良くない?」とか言われるからつけたままそれぞれのことをする日がある。

 何この時間。
 と思うけど、夫は自分の作業をし、私は家事をし、息子は息子で何かをパソコンの前で観ている。それで良いらしい。

 こちらの晩御飯は、息子のそれより栄養があって味に変化もあって申し訳ないようだけど、息子はいつも通り話しかけてくる。一緒に食卓にいるみたいな気持ちにならんでもないけど、息子はカップ麺だったりするので内心あれやこれや心配になる。

 ただ。食べている自分に今度はビックリする。

 元々つい早食いになってがっついてしまう方だけど、なんでこんなに息もつかせない感じで、切羽詰まって必死で食べているのだろう。
 いやこれは、息子が幼少期に培われたものだ。

 以前も書いたけど、息子は食べている間だけ静かにしていてくれた。それ以外はずっと喋っているか泣いているかで、大騒ぎだった。
 だから息子が食べ終わるまでに私も食べ終わらないといけない! と無酸素運動ならぬ無酸素食事みたいに必死に食べていた。
 息子がわーわー言わないまでかなりの年月かかったので、私はその間中、必死で食事をとる習慣がついたようだ。
 でもそんな自分が画面越しに見えて、ハッとする。
 味わってはいるのだけど、何だかせわしなく必死で食事している感じがする。

 ハタと気づいて、ひと呼吸置き、ゆっくり噛んでみた。

 うん。これでも大丈夫だよ私。ゆっくり食べたってなにも困らないし、むしろきっと身体に良いんじゃないだろうか。慌てるな。
 色々当たり前の言葉を自分にかけながら、リモートで会話できるありがたさを知る。
 食べている時、こんな風に見えているんだったら今後だいぶ恥ずかしい思いをするから、気をつけようっと。

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 あとね、これはたった今付け加えるのだけど、笑顔や緊張感のない顔を見るだけで、嬉しいものだよね。
 存在するだけで良い。生きているだけで良い。って、そんなものじゃないんだって考えの人も少なくないようだけど、私はそれで良いと思っているし、私みたいな考えの人もそれなりに少なくはないんだよ。人はだらしなくても、うまくできなくても、それでもただ生きてさえいてくれたら嬉しいからね。
 今日もあったかくてありがとう。今日も笑っていてくれてありがとう。今日もぼやいてくれてありがとう。ってそれをすごく大切に思っているから。日常でもリモートでもその人がそこにいるだけで嬉しいんだから。

 芸能関係でちょっとショッキングなニュースが続いたので辛い。


#エッセイ #リモート #表情 #我に返る #親子 #顔を見るだけ #存在 #ありがとう

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。