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ささやかで日常に近いお正月

 あけましておめでとうございます。
 これを言えば少しは、お正月を迎えたような気分になる。
 今回のお正月は、格別に日常感満載だった。挨拶くらい何度でもしておかないと、年明けた気がしない。そんなわけで、惜しみなくあちこちで言ったり書いたりしてみている。

 夫の実家は、北海道札幌市。私の実家は、兵庫県宝塚市。どちらもとても遠い。という場所に住んでいる。移動が大変なのです。札幌行くとしたらできるだけ夏。この時期は、雪のために飛行機が飛べないことも、ごく稀にだけどある。近年は、義父が危篤になったこともあって駆け付けたり、その後亡くなったり法事があったりで、何度も行かなくてはいけなくて、ちょっと大変だった。
 私の方も両親の顔を見たいし、関西に行けば友達にも会いたい。普段気軽に会えない距離だから、会える距離にいるのだったらもう必ず会いたい。


 ただですね、どちらに行くにしても遠いというのは、7時間前後かかる行き帰りの労力を消費するだけではない。一年にその二か所行くだけで、もう他の旅行に行けなくなる。それでも、夫も私も旅行好きだから、できるだけ近場でちょこちょこと行き、結局その度に散財する。田舎だから息子が大学に通うことになると、あと数年で息子の独り暮らしが始まる。もう経済的にアレがアレで……。夫が頑張っているのに、稼いでいるのに、私が軟弱なばっかりに。……節約しましょうね。

 あと冬に何日か家を空けると、戻った時、駐車場に入るのに一苦労だ。駐車場に屋根つけていないので、家にたどり着いたらまず雪かきなのだ。一度は3人で全力で1時間くらいかかってやっと落ち着けたことがある。もうくたくたになる。
 とは言っても年末年始、兄一家も宝塚に来るし、もっと前は、両祖父母がいたので挨拶に行ったり、皆と会うのはこういうことでもないと、と思って頑張って行ってました。何より子供が小さい頃は、ちょっとした成長も見てもらいたかったし、親せきたちと交流する雰囲気を、息子に知ってもらいたかったこともある。
 どうしても行けない事情がある時は、息子の春休みの時期に行くこともあったけど、なるべく年末年始に行くようにしていました。


 でも今回は自宅にて。

 今回の一番の理由は、母の大変さが心配になってしまったことがある。毎週のように祖母の様子を聞いているが、母ももう70代半ばで祖母の世話がとても大変。もっと近くに住んでいたら、手伝いに行けるだろうに、遠すぎて何もできない。年に一回大勢で集まるのは、母にとって返って大変なのではと思い、遠慮した。もう少し色々とある細かな事情までは書かないけどお許しを。全然違う日程で、極力負担をかけない形で行く予定にしている。

 そんなわけで、初めてではないが三人での年末年始。
 初めて三人だけで祝った年は、相当寂しい思いをしたけれど、今回は慣れてしまったこともあり、いたって平常心である。
 なんならいつもよりラクで時間がある。

 夫がゆっくり休みということが、この一年ほとんどなかったため、とにかく連休あるだけでありがたい。ちょうど休み直前にけっこうな風邪をひいてしまったので、休んでほしい。

 息子は服を脱ぎ散らかしていたりして、部屋もいつも通りである。
 こんな雪降る中、寒いのに実家にいた頃のように窓とか網戸とか、いつも以上に掃除しよう! という気にもならない。家の中は普段、普通に掃除している所以外、特に改めて掃除するところはない。

 換気扇とか他の大掃除は、実は10月頃に一度行う。雪が降る前。寒くなる前にと思うし、雪から植木を守るための庭木の雪囲いも、窓掃除もカーテン洗濯も、各部屋の床にある換気口の掃除も、その頃に済ませる。冬が終わり、天候も良くなってきた5月頃にドアから始まり、家じゅうの床や扉にワックスをかけるよう、建築屋さんに言われているので、とにかく今の時期、改めて掃除するところはない。

 おせち料理は、煮しめやなますなど野菜のものは準備するけど、これは大晦日にちょっと頑張ればそれで済む。あとは注文した物が届く。そのままおせちが持つから、3日くらい晩御飯を作らなくて良い。

 そんなわけで、非常にゆったりとした年末年始となっている。

 三人でテレビ観ていたら、年が明けたので「あけましておめでとう」と言い合った。少し寂しくも、ささやかな幸せを感じたお正月でした。

 皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


#エッセイ #年末年始 #大掃除 #おせち料理 #帰省 #お正月

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。