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表現しそれを認められる喜びを教えてくれた山里亮太、が結婚!?

 朝、弁当を作っていた時に、テレビから流れてきた声と映像に驚いた。

 「え~っ?!!!!!」

 夫も息子もまだ二階で寝ている。あまり大騒ぎしないでおきたいのだが、私はどうしてももう一度、大声をあげないと気持ちを消化できなかった。

 「え~っ?!!!!!!!」

 お笑い芸人山里亮太と、女優の蒼井優とが結婚?!

 ***

 蒼井優は、実はちょっと苦手だった。何故なら、以前住んでいたアパートで、苦手だった近所の奥さんと、とっても似ていたからだ。彼女には何の罪もない。

 その印象がすっかり覆ったのが、いつだったか。ここ一年以内だったような記憶だ。某番組で、彼女が大好きだと、アイドルグループ「アンジュルム」と共演した時。彼女のファンぶりが、本気だったのだ。詳しいばかりか、その興奮の仕方に、浮ついていない本気を感じて、本当に好きなのね、としみじみした。顔の造りに気持ちが左右されない私は(とは言っても、近所に住んでいた奥さんと似ていたことに左右されているわけですが)、表情がとても気になるのだが、彼女のその表情に「好き」が溢れていて、とても可愛かった。私は「可愛い!」を連発し、一気に彼女がお気に入りになった。


 そして山里亮太。
 昨年、夫が彼の単独ライブに行きたがった。

 以前のイメージは「面白いが、あざとい」。
 お笑いが好きだから色々な場面で目にする機会はあり、その度に「上手くて面白い」と思う気持ちは強く、でも計算し尽くしているんだろうなあと思っていた。表情もあざとく見える。もしかしたら、あざとく見えるように計算していた表情なのかもしれないとか深読みが止まらなくなっていく。

 初めて「素の表情では?」と思ったのは、居酒屋でお酒を飲んで、その辺の人たちと話していく番組の企画に出ていた時。あまり酔っぱらったようでもなかったが、居合わせた一般客と話していた彼は、まっすぐにその人の顔を見て話を聴き、気持ちを受け取って真摯に相槌を打っていた。計算を感じない聴きっぷりに、人の話をきちんと聴ける人なんだと印象を持ち、少し見方が変わった。「山ちゃんて、本当はモテるんじゃないの?」夫に言ったら「でも彼はあのキャラで売っているから、きっとなかなかそれを自分で崩せないよ」と言う。

 確かに。

 でもその気になったら(そして相手に見る目があったら)、彼はきっとモテるだろう。
 それは私の心の中でしっかりと刻まれた。

 TBSラジオで、「赤江珠緒のたまむすび」がある。今は地方で、スムーズに聴けない状況にあるが、一時ポッドキャストで聴けて、割と熱心に聴いていた。曜日によって赤江珠緒のお相手は変わり、火曜日は山里亮太が担当。
 彼は、赤江珠緒の弟分として、きちんと弟分を一生懸命頑張り、そしてイヤミなく演じていた。そこでも好感を持ったため、あざとさは、少しずつ気にならなくなっていった。それより「あざとい」と思っていたその表情は、周りの状況をなんとか掴もうとしているのではないかと思うようになっていった。

 そこで、夫からの単独ライブのお誘い。息子も乗り気。
 でもまだ私はイマイチ乗り気ではなかった。昨年はライブを観に行く予定がわりとあって、家計を圧迫するからだ。ちょっと離れた場所だと、高速道路料金、外食費、そして三人分のチケット代。他にも行きたいライブがあるのに、失礼ながら「大ファン」てほどでもない彼の「単独」ライブに行くの? ウーン。

 ……と思っていたのに、これが、「ものすごく」を付けたいくらいに面白かった。

 彼は「話して笑わせる」情熱にあふれていた。話すのが好きで好きで仕方なく、それを皆に受け止めてもらえるか不安と遠慮も感じたし、少しずつ皆の反応を見ながら、気持ちが乗っていくのがわかった。私たちは、ほぼ最初から最後まで笑いっ放しでライブを観終えた。

 最後に彼は、観客の皆に気を遣いながら、皆をバックに写真を撮りたいと言って写真を写し、それをツイッターに上げた。後姿を見ながら全員で写ったのだが、ツイッターで見ると、その時の彼の嬉しそうな表情! 彼は本当にお笑いが好きで、喋るのが好きで、それを受け入れてもらえるのが嬉しくてたまらないんだ、と感じた。
 「この会場を出たら、皆さんはこの会場で僕が話した内容を忘れます!」と彼は皆に、自分の話した中身をいつまでも覚えてあれこれ思うなと伝えてきた。それはSNSでのネタバレや炎上を願っていない気持ちからでもあり、名前が出た人たちへのささやかな思いやりでもあるだろう。私たちはそれを忘れたことにした。

 彼がそうやって、大好きだと思っているお笑いとお喋りを表現し、それを人に認めてもらう嬉しさが伝わってきたことで、その喜びを教えてもらった自分が表現したいことを認められるって、こんなに嬉しいんだ。

 彼のお笑いにかける情熱、大好きな思いを感じた私は、彼をこれから応援していこうと思った。

 それから一年程経ってからの朗報。今年はチケットが取れなかったけれど。

 
 会見は笑いに包まれ、彼の、四方八方さらには蒼井優自身への思いや優しさを感じた。記者たちからの質問やそれによる緊張を、笑いに変えて伝える気遣いと技術に、彼らしいと思い、蒼井優が「この人が良い」と信じた気持ちに好感度がますます上がっている。彼女のご両親もなかなか面白い方たちのようで。そんな温かな楽しい家庭に育ったら、彼の良さにも気づくかもしれないと思わせられた。
 
 二人の結婚の発表には本当に驚いたけど、彼が祝福されていることを心から嬉しく思う。

 山ちゃん、「モテないから」面白かったわけじゃないよ、これからも面白い話を楽しみにしています!


#エッセイ #結婚会見 #山里亮太 #蒼井優

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