もみじが真っ赤に染まるころ

　毎年眺める桜並木は

　春だけじゃなくて

　秋になると、オレンジに色づいて

　私たちの目を楽しませてくれる

　春のはかない花びらとも違って

　力強い色が、しっかりと枝につかまっている

　下にも燃えるような色のじゅうたんが続き

　曇った天気の足元は少し湿って汚れ

　地面にはりついているけれど

　緑に映える落ち葉は

　絵の具を散らしたみたいに

　鮮やかに

　毎年写すポプラ並木も色づいてきて

　薄いグレーの空を恨めしく見上げながら

　目線を下に移すと

　たまったポプラの葉もまた美しく

　ちょっと横を見ると

　一枚。

　美しい重なりも

　一枚一枚の存在があるから

　ここにいるんだよと

　話しかけられているみたい

　山の方からは

　シジュウカラが話しかけてくる

　風も話しかけてくるから

　静かで　賑やかな秋

　もうすぐ冬の足音も聞こえてくる

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