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大切な何かを誰もがもっている

なんて美しく
つややかで
まばゆいばかりで
目がくらむ

なんてきめ細かく
しずかで
はなやかに飾られ
後ずさりする

鍛錬されたものが
深い色の水晶に
映し出され

ため息が出る

追いかけてみたら
手からすり抜け

逃げて落ちたものは
ぱちんと音がして
はじけたその中を

もぐってのぞくと
そこはただの泡

ほんとうに
それだけ

こわがらなくて
だいじょうぶ

わたしには

苦しみで喉がかわき
大切にしない後悔で溺れ
悲しみで迷い
怒りでお腹がひっくり返り

愛がほとばしるほど

呼吸が細くなるほど

それらを使っても使っても

絶えることがない

荒々しい風で
わたしの声が聞こえなくても

けっしてひとりじゃない
その繊細な作業を

全身で感じて
わたしはきっと
だれかと出逢う



読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。