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【読書感想】『言葉のいらないラブソング』/河邉徹

シンガーソングライターとして活動するも、周囲から“まじめすぎ”、“普通すぎ”と言われることに悩むアキ。そんな彼がひょんなことから出会ったのは、空気を読むことが苦手で“普通になりたい”と思っている個性的な女性、莉子だった。「自由な莉子と付き合えば、自分も変われるのでは」と思うアキ。「真面目なアキと付き合うことで、自分も普通になれるのでは」と思う莉子。そんなきっかけで交際を始めた正反対の二人は、やがて心から惹かれ合うが——。東京で生きる男女の等身大の恋を描く、音楽×ラブストーリー! 【PHP研究所】

Google Books 書籍概要欄より引用

QuizKnockの山森さんがTwitterで紹介していた本書。普段はミステリー小説ばかり読んでいる自分ですが、「言葉のいらない」というキーワードがかなり気になって(笑)、読んでみることにしました。ネタバレパートの方にも少し書きましたが、老若男女問わず楽しめるストーリーでした。



以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。



プロローグとエピローグ、それぞれで語られることとなる二人の人物。
物語の中心人物であるアキと莉子、それぞれが人生の岐路に立った場面で登場するのですが、この二人の存在が強く印象に残りました。

「自由ってなんだと思いますか?」「普通ってなんだと思いますか?」
自分のもつ「自由」という価値観でアキと向き合っていいのか悩む莉子に、「自由」と「人に流される」ことの違いをそっと諭す真紀子。
どうしようもない状況に陥り、「私、頭悪いんですかね」と問いかける莉子に、「うん、悪い」と断じた後、大切なことは何かを話す真紀子。
今後のアーティストとしての「方向性」について悩むアキに「くだらねぇな」と一蹴。何が正解か誰もわからない音楽の世界で、アキがするべきことは何かを話す祐介。
どちらかといえばアキや莉子よりも祐介や真紀子の方が年齢が近い自分にとっては、とても印象に残る、激励でも忠告でもない「ディレクション」。くしくも、二人共同じ事を言ってるんですよね。こんなかっこいい大人になりたいな、いやならなきゃね。

もちろん恋愛ストーリーのほうも楽しめました。
「言葉のいらないラブソングをもし歌える日が来るのなら」・・・
自分も同じ気持ちです。


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