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食べて寝てまた食べる。最低限度の「キャラクター」

 どのような人間にも必ずある2つのこだわりというのが食べることと寝ることである。だから創作されたキャラクターにおいても、それは当然そうである。逆を言えば、そのような少なくとも「食」と「寝」に関してこだわりのないキャラクターは、キャラクターとして共感も納得もされにくく、えてして好かれないということだ。
 むしろ、食べたり寝たりすることにさえ一家言あれば、それは最低限のキャラクターなのである。この現実世界にいる人間の写し絵である「キャラ」は、複雑すぎる元々の人間性を扱いやすいように削っていくことで成立する。その、削られる最大限、そして残るもののただ2つが、食欲および睡眠欲、それにふずいする様々な言動、感情、こだわりと言えよう。

 なぜ、寝食なのか。それは、それらが「生きる」ことの最小限度だからである。人として、生物として生きるには、エネルギーの補充と休息が不可欠である。つまりそれらは、避けては通れないものなのだ。生きている存在として。生き生きとしたものとして。そして共感できる、納得できるあり方として。
 お腹が空いたら食べる。そして、疲れたら休む。このような、当たり前のことが欠けている時、そのキャラクターは「異形」となる。人間からは遠い存在として君臨することになる。だから反対に、異形としての説得力を持たせるために、あえて寝食からキャラクターを切り離すというテクニックもある。
 しかし、「王道」は「寝食」だ。それしかない。それを外すことはできない。

 古今東西、どんなキャラクターも基本は寝食だ。そこから離れることはとても難しく、扱いにくく、好かれにくい。
 キャラクターというものの本望を考えた時に、だから、この寝食は欠かせない。欠ければそれは、異形となる。怖いもの。忌避する対象。そうならない多くのキャラクター達は今日も、自らの大好物を食べて、ぐっすり眠るのである。

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