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27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第8話 ~あなたの〇〇ライフを応援~

目が覚めたのは早朝で、

布団から出るとiPhoneをポケットに入れカバンから上着を出して着た。


そして、誰も起こさないように静かに外に出る――


外に出ると日が薄っすらとしか昇っておらず、少し肌寒かった。

お屋敷や庭をあらためて観察してみた。敷地はかなり広く、伊勢神宮を彷彿とさせられる程に全てが古風で心安らぐ雰囲気を備えていた—―

ふいにiPhoneを取り出して時間を確認すると【5:50】だった。

(ん!?)

いつの間にか、iPhone設定が航空機内モードになっている。

――なるほど……誰かに逆探知されないようにしてくれたのか――

iPhoneを再度ポケットに入れると、周りの竹林や木々はサワサワと揺れている音がして何とも耳が心地良い。

――久しぶりの早起き……。森に囲まれてて空気が澄んでいてか呼吸がなんだかしやすいなぁ――

こんなゆったりした気持ちとは裏腹に、

あすかの夢を見たせいで彼女の事がふいに頭をよぎって気が落ち込みそうになる――が、顔を横に数回振ると無理やり考えないようにして歩いた。

玄関から砂利道を30m程直進して歩くと赤い屋根の建物と池があり池の中を覗いて泳いでいる鯉を観察する。

多種多様な美しい鯉が沢山泳いでいるが、この鯉の存在よりも――やはりあすかが死んでしまった時の光景が頭にちらつきかけ胸が苦しくなる。

――いつまでも俺はダメな男だなぁ――


ジャリ....ジャリ......ジャリ……



池の鯉から音のする方向へと視線を変える――


そこには、怜が紺色の浴衣を着て立っていた。

初対面ではかっちりとしたスーツ姿をしていたので何だか余計女性らしく感じてしまい直視するのは照れ臭かった。


あすかの事がまだちらつくので引きつった笑顔で朝の挨拶をしてしまった。

「お、おはよぉ……昨日、布団は怜さんがかけてくれたのかな?」

怜は会話のキャッチボールもせずに、赤い屋根の建物に指を指してそっと口を開いた。

「温泉がそこにあります。温泉の後は朝食の支度も済んでおりますのでお屋敷にお戻り下さい」

抑揚のない声でそれだけ言うと、さっと振り返り屋敷に戻っていった。

(やっぱり可愛くねぇ……)


気を取り直して、

建物の中に入り脱衣室で服を脱ぎドアを開けると立派な石作りの温泉があった。

掛け湯をして、温泉にゆっくりと浸かる。

「はぁ~~~!」

湯に浸かるとつい口から疲れが出た。

外風呂なんて滅多に入らないので新鮮で嬉しかった。


「あなたの逃亡ライフを応援、初めましテTom(トム)デス」


後ろから大きな声がして驚いて見るとそこには――――


【by 大河】








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