27歳なりに読んだ人に感動を刻む小説書いてく予定が世界救ってた 第4話~〇〇の共通点~
「う……う~ん」
私は頭の鈍痛を感じながら薄っすらと目を開けると車の後部座席に座っている事がわかった。
見渡すと車内空間が広い車らしく、
乗り心地がとても良いのを感じた。
運転手はマスクをしてサングラスを掛けた見るからに怪しい人物だ。
中性的な髪型で、
ショートカットの女性にも見えるし近頃の可愛い系アイドル男子にも見える。
体形が普通で男女の判別ができない。
そうこう考えていると後ろから気配がした。
「やっとお目覚め?随分と呑気ねー、寝起きついでに厠(かわや)にでも行く?」
振り返ると真後ろに優華が座っていた。
相も変わらず悪戯っ子の様な笑みを浮かべて言う。
「おいおい.......トイレには行かなくていいから状況を教えてくれよ」
喋ると頭が痛かったが顔には出さない。
「かわちゃ......いや、失敬。厠 克大(かわや かつひろ)、神代優華様のお二方は今後神代一族に本格的に命を狙われていくことでしょう――それと、これから起こる事に比べ貴方の死は些細な事です――が、優華様たっての希望で先程助けに行った次第ですのでお忘れなく」
運転手は淡々とそう言った。
私は優華の方を見たが、
腕を組んで真っ直ぐ前を見据えているだけである。
私は一旦きちんと座り直し頭を落ち着ける事にした。
運転手の声……女性だ――
私はこの声を何回も聞いたことがある。
だって、
この声や雰囲気は優華そのものではないか
髪型さえ違えど
長年一緒に居た私だから理解できる優華の独特の雰囲気
瓜二つと言える雰囲気の共通点がこの2人には存在した
この事について気にはなる――が、今は自室で起きた事について聞こう――
「なぁ、優華.......色々聞きたいのは山々だが順を追ってあの部屋で気絶した時に起きた事を教えてくれないかな?」
一旦間があったが、彼女はゆっくりと話を始めた。
「貴方は荷造りで卑猥な本と着替えをカバンに詰めNEWSかSNSを見て面白半分で興奮した高校生に見つかり――頭を蹴られ気絶した。その襲撃者はそこにいる運転手が片付けたというわけね」
「え~っと、その後気絶したまま車に運ばれたのかよーカッコ悪すぎる〜……」
ふと思い出したことがあり続けて聞いた。
「なぁ、俺が倒れる瞬間目覚まし時計が15時だった――午前の出来事なのに時計が狂ってたんだがなんか知らないか?」
【by 大河】
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