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あなたはどちらを優先しますか? 個人情報保護と利便性、スウェーデンの場合

日本ではようやくワクチン接種が始まったものの、遅々として進まない状況に、また騒動になっているとか。スウェーデンも遅れていますが、私の周りではそろそろ60代以上の人たちにお声がかかってると聞きます。


日本は縦割り行政のために情報が散逸して、厚労省、総務省、自治体、医療機関の連携がキチンと取れていないことが要因の一つでしょうか。最近できたデジタル庁では間に合わなかったか。


情報を一本化できていない理由として、マイナンバー、いわゆる国民背番号制度が普及していないことは大きいでしょう。私も結局放置して出国してしまいました。


スウェーデンは現在使われているパーソナルナンバー制度を1947年にすでに導入しています。国による市民の管理の歴史を紐解いてみると。。。


スウェーデンでは、16世紀に教会による住民登録制度が始まっている。17世紀には国全体で登録制度が統一された。1947年に今の制度が始まり、1966年にはコンピュータ管理が始まった。面白いのは、ずっと教会が管理していて、1991年に国税庁に移管されたそうです。


日本でも、70年代くらいから議論されていたもののなかなか議論が進まず、ようやく導入されたマイナンバー制度が中途半端なために未だにうまく機能していません。日本ではプライバシーに関してかなり議論されているけど、得られる利便性を考えたときに、そのバランスをどう考えるかとなるのでしょう。


スウェーデンでは、八桁の番号が個人に付与されるのですが、本人の生年月日に三桁の固有の数字が割り振られて最後の一桁はチェックのための数字。この番号が死ぬまで付いて回る。税金だけでなく、医療、福祉など公共サービスは全てこの番号。銀行からスーパーのポイントカードに至るまで利用されます。


日本の感覚に慣れていたので最初は気持ち悪かったが、慣れてしまったら得られる利便性を考えると各国が導入しているのも頷ける。情報が統一されるので、サービスの効率はかなり上がる。無駄なコストは下げられるので、その分、情報管理をキチンとすれば良いのではないか、と思ってしまう。年金が問題になったときに、アナログ管理の杜撰さを痛感した記憶が新しい。


スウェーデンに来るときに自身の年金を地元の役場で手続きしました。そのときにその担当者から自動的に年金事務所に連絡が行くから、と言われていたものの、数ヶ月後に年金事務所から実家に連絡が。全く処理されてませんでした。。。


日本では、まだまだ個人情報がマニュアルで管理されてる感が否めないので、道は長いように思います。でも、利便性というよりも年金問題のときのように起こりうる不利益を考えたら、優先順位を上げて情報を統一した方がいいのではないでしょうか。

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