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スウェーデンは理想的な国?

スウェーデンは、他の北欧諸国と合わせて、理想的な社会民主主義を進めていて福祉も充実していて、素晴らしい国だと論じられることが多い。

確かに、こちらに来てみると税金が高いものの国民の安心感のようなものを感じることは多く、よく指摘されることも理解できる。では、理想的で非の打ち所がなくて、他の国も目指すべきなのか。

いろいろ調べていくと、結果的に今のような社会システムや経済状態になった部分も多く、同じ政策を実行しても同じ結果になるとは思えない。

ここ二年住んでみて、そして最近少し調べてみて言えるのは、キチンとバランスを取ろうとした結果、スウェーデンの今があるように思える。

スウェーデンが豊かな経済基盤を持つことができた理由の一つは戦争に巻き込まれなかったこと。他の欧州諸国が二度の世界大戦に参戦して当事者としてダメージを負ったのに対して、スウェーデンは鉄を輸出したりして戦争で特需を経験した上で、戦後も戦火に巻き込まれていないので設備も国民も疲弊していなかった。

戦争に巻き込まれないように、うまく立ち回った、という意味ではバランス感覚があったと言えるかも。

また、先ほど少し触れた社会民主主義のシステム。実は七十年代の頃にいわゆる、ゆりかごから墓場までの政策が行き過ぎて政府が崩壊しそうになって方針を転換している。他国から比べたら今でも高福祉だが、うまく舵取りをしているように見える。

また、持続可能性社会で議論される、ゴミ処理の問題に関しては、確かにゴミを海外から輸入して焼却して、発電や地域暖房に使っていて素晴らしい。しかし、スウェーデンであってもすべての地域でそれが実現できるわけでは、分別などがすべて上手くいってるわけではない。

暮らしていて思うのは、他の国に比べると、国民の間で議論して社会をよりよくしていこうという素地がしっかりしている気がする。税金が高い分、その税金の使い道や政府や自治体が何をしようとしているか、という意識が高いと感じる。

まだまだスウェーデンのことは知らないことだらけだが、私にとって、バランス感覚、というキーワードがこの国を紐解くのに役立つのではないか、と思っている。

日本も、ほどよいバランス感覚を持って、このコロナ禍を乗り越えられることを願います。

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