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なぜ英語圏は名+姓?

きっかけは「息子からの質問」

息子に英語を教えていたら、突然の質問。
「なんで英語だと名字が先じゃないの?」
私は「英語ってそういうもんだ」と思ってたので、息子からの質問に一瞬「え?」と戸惑ってしまいました。
「ママの考えだけど・・」と、エクスキューズを入れて説明してみました。

名+姓の理由:「個人主義」(私)

私が思うに英語圏は個人主義が成り立つ国が多いと思っています。
なので、重要度としては、家の名前(=姓)<個人の名前(=名)じゃないのかな?と思っていたり。
でも貴族とかだと逆になりそうな気がする(家を重視してそうなイメージ)ので、もしかしたら違うのかな?
ということで、本当はどうなのかを調べてみることに。すると、パックンマックンのパックンのコメントを見つけました。どうやら「全国こども電話相談室」というTBS番組でそんな相談があった模様。

名+姓の理由:「文法の違い」(パックン)

パックンが言ってたのはこういった内容でした。要は「日本語と英語の文法の違いなんじゃないか」と。

その人の住んでいる場所などから(苗字が)付いたんですね。(中略)例えば、名前が「サトシ」なら、田中のサトシ君。長い浜のサトシ君とかね。「の」が入りますよね。これは先にくる名詞が後にくる名詞を修飾している場合は「の」でくっつけていますよね。今いる先生方で言えば、東京大学「の」林先生とかね。
でも、英語の場合は逆なんですよ。林先生・オブ・トウキョウユニバーシティというんですよ。

欧米の苗字も同じようなことで住んでいる場所、従事している職業から来ている名前が多いです。私はパトリック・ハーランという名前ですが、ハーランというのは、「川の渡り」。だから、ぼくは「パトリック・オブ・ザ・渡り」なんです。ハーラン(川の渡り)に住んでいるパトリックということです。
だから、多分、これが簡単に言うと英語と日本語の文法の違いから生じたんだと思います。
でも、これはぼくが今、考えた説なので間違っているかもしれません。

全国こども電話相談室(TBSラジオ)

でもパックンも「間違っているかもしれません」と。わからないってことですね。英語圏のパックンもわかってないってことで、おそらく「だって昔からそう言ってるんだもん」っていう感じなんでしょうか。

もう少し読んでいると、林先生の意見も記載されていました。

名+姓の理由:「個人主義」(林良博先生)

同じ番組に出ている東京大学大学院教授の林良博先生の意見はこちらです。
(ちなみに「今でしょ!」の林修先生ではなかった・・・林良博先生、勘違いして申し訳ございません・・・)

日本の場合、家の方を先に持ってくるわけですよね。そういう意味じゃ、個人、先ほどの名前で言うなら、「サトシ」を先に持ってくる方が、どちらを大切にしているのかを言うと、変ですが団体主義と個人主義を表しているのかもしれないですよね。
でも、日本の場合、中国の形式をそのまま入れたんだと思いますけどね。

全国こども電話相談室(TBSラジオ)

おー!林先生、私もその意見です!とちょっと嬉しくなりました。(別に同じだからいい、違うからだめってわけではないですが)
このお話はウェブで残っているので、もし興味があればご一読ください。

その他:英語ではなぜ日本だけ名+姓?

他の意見を探していたのですが、どちらかというと「なぜ日本人名だけ英語圏の表記にあわせて名+姓にしているのか?」というのがたくさんありました。
作家の鴻上尚史さんは、雑誌のコラムでこのように書かれています。

安倍晋三首相はShinzo Abe (シンゾー・アベ)と海外では紹介されるし、名乗っています。ところが、同じく名字・名前の順番である中国の習近平国家主席はXi Jinping(シー・チンピン)、韓国の文在寅大統領はMoon Jae-in (ムン・ジェイン)と名乗っているのです。

「日刊SPA!」より

確かにそうですね。勉強のためにBBCとかの記事を読んでるとそうだなーと今さら思い出します。日本のニュースと同じ並びだから「あ、ムン・ジェイン大統領ね」とすぐに連想できて、逆に何の違和感もありませんでした。

個人的には「相手がストレスなく名前をちゃんと覚えてくれればいいので、あまり気にしてない」というのが感想です。
そもそも日本人の名前は覚えられにくいです。私は過去に何度も数ヶ月間海外で生活していてもなかなか正しく発音されずで、相手も私もストレス。
そんなストレスフルな日本人の名前なのに、苗字と名前のことでさらに「イミフ」と思われるのは、個人的には嫌なのです・・・。

日刊SPA!の記事、全部読んでみたい方はこちらから。

おまけ:息子の英語で気づいたこと

ちょうどいま英会話スクールで習っているのが「前置詞」。
in, on, underなどを使った文章をすらすら言えるように練習中です。
でも息子は「箱の前に」というのを「in front of the box」ではなく「the box in front of」と言いがち。
なんでそういう変な言い方するのかな?と思ってたら、日本語の言い方をそのまま英語になおしてるんですよね。
箱(= the box)の中に(=in front of)という感じです。
なので、以下2点を説明しました。
・日本語と英語は言葉の並びが違うから日本語をそのまま訳すとおかしい
・日本語だと「私は毎朝歩きます」っていっても、
 英語だと「I walk everyday」っていう感じで、動きを表す言葉が前に来る
そんなわけで、息子から「逆なんだね。そういえばなんで英語だと名字が先じゃないの?」と聞かれました。
そこから冒頭へ戻った次第です。

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