スクリーンショット_2018-12-14_15

推薦図書、二冊。

タイトルどおり、本の話がしたくて走り書きしています。今年から本の買い方がちょっとずつ変わってきました。

1.本屋さんでは未知のもの、心惹かれたものを買う。
2.漫画や小説は電子書籍での購入が増えた。

その結果、紙の本で買うものは、即売会で作家さんから直接買うものか、造本がかっこいい、ゴツい本。二極化しました。幸せです。収納は地獄の様相を呈していますが宿命かもしれない。受け入れましょう(やる気ナッシン)。よし、では私が今年読んでアツくなった二冊の本のこと、ざくざく書いていきます。

ハイ、一冊目!
『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』小津夜景 東京四季出版
旅先の書店で記念に買い求めました。アツく推すためにこんなPOPまで作ったのですが(下↓の写真です)中国の古典・漢籍って、魅力的なんですよ。かっこいいand美味しい表現てんこ盛りで。この本は漢詩をゆったり読んでいく本なのですがそれだけじゃない。俳人であり武術もたしなみ(それで痴漢を撃退している…)腐女子の薫りまでただよう筆者に、誰しも興味をそそられること間違いありません。ほどよく開かれた「ひらがな」表記の文章にも、書き手のたおやかさが漂っています。

白居易(白楽天)、陶淵明、李賀の詩が私は好みなのですが。たとえば白居易について語るページはこう↓↓

…恋愛っぽい友情の描きぶりには目をみはるものがある。様式美にとことん弱く、時代錯誤の風雅をなんなく受け入れ、まわりくどい比喩をときほぐす根気もじゅうぶんにある二次創作愛好家の女性がひときわ好みそうな世界だ。(同書 P.16)

なにを見ても読んでも好きなキャラクター同士のカップリングに重ねて見てしまうのが腐女子という生き物(私自身を含む)ですから。この本はいまを生きる人、いままさに推しへの愛に燃え盛る人にとっての、最高の漢詩世界ガイドです。語りたいので気になったらぜひ読んでほしい!

さあ、二冊目。書くか迷いました。この絵本のこと。書いてしまうのがもったいない気持ちもあった。誰にもなにも言わないでただ愛でるのがいいのではないかと。それほどまでに美しくて切ない、心を掴みにくる絵本。
『えのないえほん』作・斉藤倫 絵・植田真 講談社
みにくいけものと、村に住むおんなのこが心をかよわせていく話です。作者の斉藤さんのお名前を検索すると別ジャンルの作家さんが引っかかりますが、絵本の斉藤さんは詩人であり児童文学の世界でもご活躍されています。読めばスーッと入ってくるのに、とん、と胸を突かれる。そんな言語体験ができました。あと、紙の絵本ならではの遊び心・仕掛けも随所にあるので、発見したらぜひ(今年の新刊ですし)現物を手に取ってください。

帯文「これは つきの ひかりが とどかない ばしょの ものがたり」に惹かれて手に取り、最後の台詞に撃ち落とされました。買う予定はなかったし、本の存在も知らなかったんですけど。でもレジに持って行った。今年はそういう本の買い方をしています。

今年は私的にはとても実りの多い読書年でした。春夏はあまり余裕を持てず鬱々と過ごしましたが、そのぶん読書会には遊びに行きました。秋からは集中力が戻ってきて一人の読書がペースアップしました。
基本姿勢=「スルメを噛むように本を読む」ので遅読なんですけれども、たくさんの良い本に出会えたと思ってます。動けるときに動いて籠城するときは籠城しろ、ってことですかね。うむ、総括。


この記事が参加している募集

推薦図書

宵待ブックスの記事をお読みいただき、ありがとうございます。どの記事も無料なので好きな時にアクセスしてください。ズボラなのでコメントなどお気遣い不要です、読んでもらえたら嬉しいです!(ちなみに、ハートを押すと「月の異名」が飛び出します。)