育児備忘録「お風呂でコップ遊び」
我が家の3人兄弟。末っ子娘が生まれた頃は、息子①3才半ば、息子②1歳半。もう必死過ぎて、当時の記憶がほぼほぼ残っていない。「ふもちゃん3人も育てたでしょ!アドバイス頂戴!」という友人たちをことごとく裏切っている。
ちなみに、私は22才、24才、25才で出産しているので、友人たちは大学や就職で忙しく、私は私で早く子育て仲間が欲しいがゆえに「子育てたいへんって思わせないように!」という謎の気合いで、電話をかけて泣くこともできなかった。
謎のがんばりの成果は10年後に現れ、友人たちは続々と妊娠出産。私の「おめでとー!!」の裏側には、「やっとあの孤独とたいへんさを分かち合える仲間ができた!」があった。
それなのに!それなのに!私が忘れている!
やっちゃった…
しかし忘れたものはしかたない。それだけ一生懸命子育てしていた私はえらい。せめて忘れていないことだけ書き留めておこう。数少ない成功譚を(失敗ばっかりだ…)思い出せた時に書きます。
<目次>
◆食卓で牛乳を、ざぱっ!
◆コップを投げつけた私
◆息子②、覚えていない…
◆末っ子娘、くそ真面目…?
◆その晩お風呂に持ち込んだもの
◆「研究」はお風呂場で
◆「研究室」にお風呂場が好まれたわけ
◆母の勝利
◆食卓で牛乳を、ざぱっ!
これ、我が家だけなのかなあ、「ご飯だよー」といって牛乳をコップに入れると、真剣な顔して持ち上げて、目の高さで…
ひっくり返す。
ざぱっ!と牛乳が飛び散る。お茶がまかれる。ジュースが流れる。
◆コップを投げつけた私
どうやらこれ、8ヶ月から1才半くらいまでに多かった気がする。
息子①の時、食事の度にやられるようになり、3回目くらいで私はキレた。
キレて空のコップを掴み、息子①の顔面目掛けて投げつけた。
残った牛乳と彼の泣き声が飛び散る。続いて私の号泣…
そのあとどうしたか?なんて…覚えているはずがない。
◆息子②、覚えていない…
息子①にコップを投げつけたことははっきり覚えているのに、息子②が同じことをやったことも覚えているのに、その時に自分がどう対応したのか?はまったく!覚えていない…
◆末っ子娘、くそ真面目…?
3人目の余裕?なぜかはっきり覚えている。
食卓のコップに手を伸ばして、掴んで、目の高さに持ち上げて、ゆっくりゆっくり傾ける彼女の顔は、真剣そのものだった。
そして、牛乳は放たれる。ぽちゃ、じゃぱ、じゃぶ、ぴちゃ…
これは…もしや…「研究」している??
◆その晩お風呂に持ち込んだもの
ちびっ子3人と入るお風呂はにぎやか。おもちゃもいろいろ浮かんで彩り鮮やか。時々石鹸も飛び込んだり、シャンプーが投入されたりもする。
そんなお風呂に私は歯磨き用のコップを持ち込んだ。
まだ自分で座って入れない末っ子娘を抱っこして、私はコップを握りしめる。
お風呂のお湯をすくう。持ち上げる。目の高さで傾ける。ぽちゃ、じゃぱ、じゃぶ、じゃぶじゃぶ、ぴちゃ…
◆「研究」はお風呂場で
末っ子娘は私の手の動きをしっかり見ていた。食い入るように追いかけて、そして見た(聞いた)。コップから放たれるお湯の音を。
最後の一滴がお風呂に戻って、娘は息を吐いた。そして手を伸ばして足をバタバタ。「コップをちょうだい!」とはまだ言えない。
娘の手に収まったコップは、たっぷりのお湯を入れられ、もう一度持ち上げられる。目の高さから、ぽちゃ、じゃぱ、じゃぶ、じょぼじょぼ、ぼん、ぴちゃ。
「うえい!うえい!」と歓喜の声。もう一度汲まれて持ち上げられてこぼされて…もう一度汲まれて…もう一度…
予想通りだった。子どもたちは、「こぼれる液体の音」を聞きたかったのだ。
◆研究室にお風呂が好まれたわけ
まだ手元の怪しいちびっこのコップに、なみなみと牛乳なんて入れられない。だから深さ1/4がようやく、の食卓のコップより、あふれるように入れてこぼせるお風呂の方が楽しいに決まっている。
たくさんこぼしたら、どぼどぼ!ちょっとこぼしたら、ちょぽちょぽ。最後の一滴は、ぴちょん。
そして、板の食卓にこぼすよりも、お風呂の水面にこぼした方が音が響く。楽しい。
◆母の勝利
その後、食卓でコップをさかさまにされたことは、一度たりとも、ない。
やった!!
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