いいチョイス

「人殺しのドラマばっかり見てるとあかんよ~。」
と、つい言いたくなるほど、母は犯罪捜査やサスペンス好きである。
ただ人が殺されるのではなく、人間の心理が絡み合う洋ドラマが多いのだが、ドラマの中では必ず人が1人は殺される。
これは昔からで、『名探偵ポアロ』や『刑事コロンボ』が放送される日は始まるまでに落ち着こうと、忙しなかったこと記憶している。
今は『クリミナルマインド』『CSI:科学捜査斑』『ブラックリスト』『ハンニバル』『シャーロック』『リゾーリ&アイルズ』…こんな類のものである。そして、『NCISネイビー犯罪捜査斑』。
「今の私の心の友はギブス。」
と目をキラキラとさせている。実際、奥が深くて面白い。そして、ギブスはとてもシブイおじさんで、実は私も大好きだ。

ところが近頃は様子が変わっている。近頃彼女が好んで見ているのは犯罪ドラマではなく、ドラマの中で一人として人が殺されることもない。
それは、『アボンリーへの道』である。『赤毛のアン』のその後、プリンスエドワード島が舞台のドラマだ。多くの女性がそうであるように、彼女もまた『赤毛のアン』が大好きなのだ。
薄暗い画面が多かった犯罪ドラマとは打って変わって、遠くまで続く草原や並木道がおとぎの世界の様に広がる画面。可愛い花柄の洋服やニットで編んだ帽子を被った子供たち。頑固で我儘なおばさん連中。物語はちょっとした勘違いや愛の話。平和である。

「なんか…。気持ちが穏やかになるドラマが良くなってきて…。」
心境の変化…だ。
とてもいいことだなぁと思った。いつも見てた犯罪ドラマも面白い。けれど、ドラマを見つつ、自分の負の部分がふと思い起こされ、対話する羽目になることもあるし、やりきれない複雑な気持ちになって悲しくなって見終わることもある。『アボンリーへの道』を見ていて、そういうスイッチは入らない。心が温かくなるエピソードばかりだからだ。
こういうドラマにシフトチェンジした彼女は、少しポジティブになったように見受けられた。きっと精神的にいい影響があるんだ。そう感じた。いろんなことがいい方向に行くような…そんな気分になった。
いつ、どこでも、好きなものを見ることが出来るような時代になったけど、何をチョイスして見るかは大切だ。自分で選べるのだから、その時々の自分にとっていいチョイスをしたい。

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I wish happiness will come to you♥.
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cheka

OH! ママン

だれもかれも、母という存在から生まれる。良くも悪くもどうしたって母という存在の影響は色濃くある。人と会うと、この人の母親とはどういう人か…?とフィルターをかけて見てしまう。「母」というテーマで書くエッセイ。
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