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挑戦状12 命の尊とさを伝えたい②

挑戦状1で挙げたその内容を再度振り返ってみたいと思います。

◆ 君は自分の心と身体を大切にしているかい

◆ 君は思いやりの心を持っているかい

◆ 君は未来への夢を忘れていないかい

私たち人類は、新型コロナウィルスに試されていると思います。岡江久美子さんの”死”は私にとって大きな衝撃でした。しばらくの間、何も語れない位の衝撃でした。

岡江久美子さんの死から何を学ぶのか

乳がんが早期で発見できて、手術も放射線治療も無事に終了して、家族で安堵の気持ちだった矢先の出来事。

手術だけでも身体はダメージを受けるのに、直後の放射線治療…心身に与えるダメージは、経験した人にしか、わからないものだと思います。

新型コロナウィルスの流行には、ご本人もご家族も細心の注意を図られていたと思います。その苦難を乗り越えてきた矢先です。放射線治療終了後2ヶ月経過していたとしても肺へのダメージは残っていたはずです。

私も3年前、卵巣がんの手術を受けました。3月下旬でした。早く職場復帰したくて、直後に抗がん剤治療も受けました。そして、退院。その足でウィッグを買いに出かけ、翌日に長かった髪を切り…

身体は、どうにか動くのです。だから、何もしないわけにもいかず、頑張ろうと思えば家事も頑張れる。じっと寝ていると鬱っぽくなりそうだから動いてみる。でも、生きた心地に、なかなかなれない。春風も木々の緑も心に入って来ず、常に曇り空のように感じる毎日でした。

放射線治療の経験はありませんが、臨床で関わってきた患者さんたちは、同じような思いだったんだろうと思います。岡江さんも・・・

退院して1週間後に高熱、白血球が低下した状態での原因不明の感染症で再入院。熱は40℃から38℃を行ったり来たりで、熱が上がる前の恐ろしいまでの悪寒との闘い。食欲もなく、白血球は上がらず個室での隔離状態が2週間続きました。その間に髪の毛も少しずつどんどん、どんどん抜け落ちていきました。死の溝を彷徨い生還しましたが、抗がん剤は止めることにしました。今も抗がん剤の副作用で受けたダメージの腎機能は回復できません。

私の治療が、3年後の今だったらと思うと岡江さんの死は他人事ではありません。

新型コロナウィルスの感染拡大を、未だ他人事のように感じている人がいるとしたら、自分事として受け入れられない人がいるとしたら、もう少し想像して欲しいのです。

貴方はサイレントキャンサー(無症状感染者)かもしれない。マスクをつけずに街を歩き、おしゃべりをしたとする。その横を通り過ぎたその人は、癌治療の最中かもしれないのです。その人は、細心の注意を払い、マスクもつけて、それでも頑張って家族のために買い物に来たのかも知れないのです。毎日が曇り空で不安な毎日の中、一生懸命に生きようとしているかもしれないのです。

パチンコに行っている貴方…パチンコ店では喋らないから大丈夫と思っているかもしれません。タバコの煙、誰かが触ったそのダイヤルにウィルスはいるかもしれません。その中で感染していないと誰が言えるでしょうか。街ですれ違った癌と闘ってきたその人に感染させているかもしれないのです。

貴方の親が、貴方の奥様が、貴方の子どもが、貴方自身も”死”と隣り合わせかもしれないのです。

つい2週間前まで元気に笑っていた家族が、シャボン玉のようにあっけなく消えていく・・・どうか想像してください。

そんな恐怖を想像していると、家の中にいる事がこんなにも安全で安心できるのかと感じます。

感染病棟で死と隣り合わせで戦ってくれている医療従事者の皆さん、介護の現場で高齢者を守り続けてくれている介護職の皆さん、小さな子どもたちの命を守ってくれている保育現場の皆さん、生活に必要なものを大切に運んでくれている運送業の皆さん、生きていく源となる食料品を扱ってくれている皆さん、そして、感染から脱却し命をつないできたみなさん、新型コロナウィルスと闘って命を失った方々、そんな多くの皆さんの力で、私たち人類は未来への夢をつなぐことができています。

ありがとう、みなさんの力と命を決して無駄にしない。お互いを思いやる気持ち、自分を大切にする力、自粛生活の中から新たに発見できる知恵を未来への夢につなぐことができるように・・・

あなた方の”死”を決して無駄にしません。


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