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【海外起業戦記】理不尽に思える日本のビジネス慣習

先日投稿した「世界の家・投資フェア」2023年10月が終わったときに、賢者タイムで風邪を引いたということを書きました。2017年に六本木で始めたフェアですが、開催する度に「もう辞めたい」と何度も思ったことか。。。。

さてその続きです。

2016年何も知らずにシンガポールへ移住した。

ソニー不動産を2016年4月末で退任をして、世界に出る準備をしていたときは、まさかその年中にシンガポールに移住をするなんて思っても見ていませんでした。ただただ、なんとなく国内不動産では達成感があって、サバティカル(キャリアの途中の休憩)としてイギリスに留学をして見聞を広めたいと思っていただけでした。それが、ご縁でシンガポールに行くことになり、2017年の11月にこのフェアを開催することになります。

シンガポールで最初に楽しんだのはF1の初観戦でした。鈴鹿は遠すぎて行けない、シンガポールは自宅から10分でした。

シンガポールGP2017年当日

海外不動産なんて日本人から無視されていた

当時マレーシアとかタイとか海外不動産情報が少しづつ出てきていて投資をする方もいたとおもいますが、日本人からすると国内不動産ですら、不動産屋さんが胡散臭いのに海外かよといった感じで、まだまだ少数派。国内の不動産会社のほとんどは海外は取り扱っていなくて(今もそうか)、フェアなんぞ開催しても人が集まるのか?と懐疑的な人が多かった。

さらに、多くの関係者を巻き込み業界では事件として扱われているポータルサイトの「オウチーノ」による海外不動産投資失策により、唯一の海外不動産フェアをやっていたオウチーノは事業から撤退。社員に事業を売却(譲渡)しました。さらに、ライフルホームズも行っていた海外を含む不動産展示会ビジネスから撤退と、海外不動産にとっては向かい風が吹き荒れていた状況下。そのような中で海外不動産フェアをやるのは、業界関係者からしたら???でした。

オウチーノの問題はこういった話でした。海外不動産は、、、

海外から大きな期待が寄せられていたニッポン

そんな国内のことはさておいて、海を渡れば我が国ニッポンは黄金の国ジパングとして見られていました。つまりミステリアスな日本人投資家はInternationalで不動産の売買をするデベロッパーなどからは、大きな市場に見えていたのです。当時は中国マネーが席巻している中で、中国にいけば100、200戸が一日で売り切れるなどEasy to Danceな状況だったわけなんですが、すでにチャイナデスクは担当が決まっている。チャイナが取れなかったデベロッパーにInternational Salesが目をつけるのは、ミステリアスな私たちだったということです。

当時、日本円は強かったので、海外の不動産会社から日本の展示会の出展には大きなコストを伴いました。さらに新興国の企業が日本へ触手を伸ばす場合には移動費用、ホテルの費用など多額に。躊躇していたのが現実でした。悲しいかな今となっては全く逆の状態ですけれどもね。

タイ・マレーシアのブームの影で

当時当社のメンバーは、シンガポールにいたSheilaと私、そしてマレーシアで1名採用したJackyの3名。その3名で「みなさん日本で海外不動産の展示会を開催するので来ませんか〜」と営業をかけたわけです。初めて営業するもんですから、誰だよお前たち、実績あるのかよ、というカウンターパンチをくらいながら、丁寧に下手くそな英語でセールスをするわけです。SheilaとJackyが英語で説明ができるのですが、日本のことは私の口から聞きたいということで、下手を承知で説明するわけです。

当時タイとマレーシアは日本市場について真剣に見ていたということもあり、ブースの販売は堅調に推移しました。一方で海外を取り扱う日本のエージェントやデベロッパーの招致には苦労しました。日本語で説明しているのに、全然興味を引いてくれない。いっそのこと不動産売ったほうが売れるのではというくらい、自分のやっていることに自信がなくなっていく状況でした。当時販売していたブースは30ほど、フェアやめようかなとおもいました。

私がバンコクで買った物件です

会場変更での違約金発生

海外不動産フェアを行うに当たっては他のフェアを参考にして、大手町のとある新聞社が保有するホールを借りようとおもって、連絡をいれ無事会場を抑えることができました。しかし、その後日程を変えなくてはいけない事由が発生したことで、50万円の違約金を支払わなくてはいけなくなりました。海外チームからは、交渉すれば違約金なんて払わなくてもいい。ほっとけばいいと思うなど、無茶なアドバイスが多発しましたが、日本の商慣習に従わなくては自分たちのレピュテーションにも関わるので涙をのんで支払いました。実は海外ビジネスをやっている中でこういった勉強代は今後もたくさん支払うことになります。。。

六本木のベルサールに会場決定

会場は住友不動産のつてを使い、六本木の700平米ほどの会場に決定しました。会場代は高かったのですが外国人にとって六本木は馴染みが深いということもあり、ナイスな選択肢だとおもいました(開催するまでは)。この間に何回シンガポールから東京に出張したことか。もう東京に住んだほうがいいんじゃないか?とは言ってはいけないのですが、ようやく初めての海外不動産ビジネスのスタートラインに立つことになります。

また続きは今度に。。

なにか気になることがあれば気軽にコンタクトしてください。風戸の予定も以下よりわかります。オンラインでお話できれば嬉しいです。



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