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社内通信

一般社団法人ノオトの設立が平成21年2月ですから、もう10年が経ちました。良き仲間を得て、地域再生の事業モデルが確立し、この10年でひとまとまりの仕事が出来たかと思います。そして63歳になりました。今年は64歳、これまでに得た経験や知見を、記しておきたいと思うようになりました。

しかし、その経験や知見を誰に伝えようというのか、そのことがこれまで判然としないでいました。誰に向けて書けば良いのか。対象を広くすれば内容が浅くなるし、内容を深くすれば対象が狭くなります。広く関心を持ってもらうほうが良いのか、深く根源に迫ってみるべきなのか、優柔不断のまま、書き始められないでいたのですが、ふと、新しく入社した社員に向けて書いてみようという気になりました。

NOTEチーム(一般社団法人ノオトと株式会社NOTE)の新入社員は転職組なので、IT、金融、ランドスケープ、メディア、行政、建築、デベロッパーなどそれぞれにバックグラウンドを持っています。地域開発の世界に身を置いて、それぞれの分野で活躍していた若手の職能が、既存の社会の価値観に疑問を抱き、倦み、(自分が関わる事業や地域開発について収益の最大化を実現するとして、そのことにどのような社会的な意味が、意義があるのかと自問して、)NOTEチームに参画してきます。

そして、例えば、出雲、奈良、北陸といったサイズのエリアを担当しながら、それぞれが持つ職能の分野ではエリアを超えて活動しています。だから必然的にチームになる。バックオフィスも含めてスタッフは全国に分散していて、勤怠管理のない裁量労働制の勤務体制で、皆が生き生きと働いています。いや、勤怠管理がないのではなく勤怠管理ができない。放し飼い。それに働いているという意識ではないかも知れません。生き生きと生きている。そこにはブラックやワークライフバランスという概念そのものが存在しません。現代の日本社会が日陰に追いやった遊牧民的な生活、職人的な生き方をしているのです。

それが今は20人程度。20歳代から40歳代までで、みんな若い。ひと月に一度、全国のスタッフが丹波篠山の事務所に集まって情報共有とフェイスツーフェイスの打合せをするのですが、目の前の案件調整に終始して、私からは広い話も深い話もできていません。それに、彼らは創業期のことを知らない。私には、確かに彼らに伝えておきたいことがあるのです。今は20人程度ですが、未来の仲間はもっと多数になるでしょう。

その彼らに向けて書いてみてはどうかと発想したのでした。彼らに語りかけるようにして、(聞きたいと思ってくれているかどうかは別にして、)これまでとこれからについて書いていきたいと思います。

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