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風織姫の風の物語

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ちょっと心にとどまったことを綴ってみます
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春はまた来る

春はまた来る

春の訪れとともに畑へ。
3ヶ月ぶりの畑では、秋に植えていった玉ねぎとニンニクが生きていた。
キャベツはそこそこ大きくなっていて、ブロッコリーはかわいい花盛り、あのサイズからみてそこそこ大きくなってたかも。
とり忘れの短足大根。
豆の後にまいたスペルトは出てるんだか出てないんだか。ライ麦は全滅っぽい。豆の収穫をまっててまくのが遅すぎた。

ここは高浜。原発のある町。

私はここの景色が好きだ。

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愛と恋が共存する場所

愛と恋が共存する場所

最近考える時間がとても必要で。
感情の引き出しを開けたり閉めたり繰り返しながら、その中にある自分に問う。
「あなたの心動かすものはなに?」

今日たまたま見ていた日曜美術館。
萩焼十三代三輪休雪氏の制作映像に
心の水平線が波立った。

一瞬のきらめきと素材との向い合い。
一方的な作用ではなく、素材との掛け合いがそこにはあって、対峙しながら対話しながら形が生まれていく。
中途半端な気持ちで手を入れる

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心がぎゅっとする

心がぎゅっとする

311。毎年この時期になると胸がぎゅっとして涙腺もおかしくなって心が弱る。

ちょうど土に向かい始めたのは震災のあった時だった。娘が東京農大に入学した時。
そうか土を触ってもう10年になるのか。

震災支援も農業も、自分ができることはしれていることを思い知らされた。
それから自分の生き方を考え直し始めたんだ。

いっぱいもがいてみてはいたけど、結局何も出来ず、何もやり通せず、ごめんなさいというシコ

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2021年の旅の予定

2021年の旅の予定

2021年はゆっくりとスタート。
2020年は走り続けてきたからね。
ここ辺りで一回リセット。

MachiCafeを始めて、仕入れに走り回った。
初のウンカ被害に見舞われ在り方を問われた。
プランターセミナーを主催し、都会で自給する方法を模索した。
さをり本部とのつながりを絶ち、自分だから伝えられる形を探した。
味噌を自分で仕込み、醤油麹を作ることも習った。自給できることがまた増えた。
Mich

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太陽が一番弱まる日

太陽が一番弱まる日

2020年の冬至は12/21。
冬至の別名は
「一陽来復(いちようらいふく)の日」
中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくるという前向きな意味合いを含んだ言葉なのだそう。

私にとっては人生をリセットした日だ。
新しく自分だけの戸籍を作った日。
自分の名前と新しく戸籍が作られた2018年12月21日の日付だけが入っている戸籍謄本。

空っぽになった自分。

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お母ちゃん

お母ちゃん

イベントで雨に濡れたまま神戸の母のところへ。
お風呂に入って出て来ると、ごはんが用意されていて、好物のイチゴやスイカまで冷蔵庫にスタンばってる。

パウチ交換に3日に1回のペースで、母のところに通っているのだけど、その日はせっせとごはんを作って待ってくれてるのだ。

もともと母は母性が強い世話焼きお母ちゃんだ。

まだ中学生だった頃のある日、買い物から帰ってきた母が、
「これはみっちゃんが好き

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4/27という日

4/27という日

昨日は大好きなあけみちゃんと中村えい子さんの個展へ行ってきた。

自然に沿うように生まれる織り。
自由に心が感じるまま色を追っていく。
糸が、布が、息をしている。
自分との対話、色との対話、糸との対話。
全ては糸の声を聴くことから始まるのだ。
布の声を聞けて、そして、布を前にたくさん語ってもらえて、それが嬉しかった。
何より嬉しかった。

実は昨日は私のアトリエ風のみちをオープンして丸10年の記念

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ざわつくココロモチ

ざわつくココロモチ

遊びの農業を始めて6年。
遊びとは言いつつ、時間もお金も労力も結構注ぎ込んでの本気の遊びだ。
みんなを巻き込んでね。

欲は有るけど無いような活動を続けてきて、だんだん自分の思考が変わってきたことを感じる。
なんせ春になるとワクワク、ウキウキ、ザワザワするのだ。
それまでは、桜が膨らんできたら「春だなー」くらいしか感じなかったのだけど、今はプランターの土からちょっと出てくる新芽を見つけて、「お。い

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23歳 母の日

23歳 母の日

香川のいちご農園で働いている娘から、一週間遅れの母の日のプレゼントが届いた。

娘の気遣いをとっても嬉しく思うと同時に
ごめんねの気持ちがわく。

若くて未熟だった子育て。
よく私に張り飛ばされて泣いてたなあ。娘。
こっちも必死だったのだけど、
そんなことは子どもには関係ないものね。

めちゃめちゃ怒って、怒りをおさめられず、
伝わらない情けなさにベランダで一人泣いてた私の背中に、ぺちょっと1歳半

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何者でもない人

何者でもない人

金曜日は雪の降ったり止んだりな滋賀へ
年に一度行われている「アメニティーフォーラム」に。
1000人を越す福祉関係の方が一挙に集まり、
2泊3日で朝から晩まで勉強するというすごい集まり。
毎年ロビーでさをりひろばの紹介をさせていただいているけど、福祉に従事されている方の
真剣な真面目さをとても感じる。各方面から専門的に真摯に向かい合っておられるってほんとに素晴らしいと思う。

でも、私はこの場で毎

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「今でも愛してる、だからいつかまた逢いましょう」

「今でも愛してる、だからいつかまた逢いましょう」

「ウエディングドレスをみっちぇるに作ってもらいってお母さんが言うてるねんけど、どう?作ってくれる?」

大学時代のサークル仲間まゆうから弾んだ声で、でもちょっと困惑してる声で電話があった。
ご両親に結婚の許しをもらう最中の電話だったらしく、お母さんは結婚の許しの返事の前に彼女のドレスが気になってその場で電話をさせたとのこと。体も小さく、度重なる手術の跡もある彼女の体には既製品のドレスは無理だと、気

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テーブルクロスの思い出

テーブルクロスの思い出

2/4に三津寺さんでごま選りの会を企画しているのだけど、そのお昼の時にテーブルクロスをひいたほうがいいかなー、いらないかなーとか考えていて、ふと子どもの頃のやり取りを思い出した。

小学生の時テーブルクロスを毎週交代で持って帰って洗ってくることになっていたんだけど、この順番をめぐって班でもめたことがあった。
ちょっとみんなによく思われていないよく嘘をつく子が、持って帰る順番だったのだけど、「自分は

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