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マンジュウドロホコリ

年末年始の、特に夜は本を読んで過ごそうと購入した本。

興味のきっかけは
少し前に読んでいた、とある鳥観察資料の文中に「マンジュウドロホコリ」という気になる名前があったこと。
そこには特に説明も写真もない。前後の文章とその名前から、木にくっついているまるっこい何か?植物?と謎だった。
その文章を書いている方々も
その存在の変化が謎らしく、皆で見守っているようなのだ。
マンジュウドロホコリ…って何だ…
すごい名前だな
ドラえもんがポケットから出してキメる
道具の名前や
懐しアニメヤッターマンのナレーション
「説明しよう」に続くメカの名前だとしても違和感がない。
気になって気になってしかたがなく検索すると、それは粘菌の一種だという。もっと写真もみてみたいと探した本。

~粘菌(変形菌)は「菌」といっても菌類ではないそう。ひとことでいうならアメーバ動物の一種で、アメーバと菌類の中間的な生き方をしている単細胞生物とのこと。
粘菌の一生(例ムラサキホコリ)
※胞子が好条件場所に着地→殻が破けアメーバ誕生→分裂増殖成長→胞子放出準備完了→※へ戻る~

↑本の説明をものすごく端折ってます。
ひとことでは表せない分裂増殖成長過程、
その途中それぞれの状態に変化する姿を魅せてくれているようです。

改めてマンジュウドロホコリ。
漢字、ひらがなと変換ごとに面白味があるが、特に「ホコリ」って…。「~ホコリ科」って…。カタカナがさらにかわいい。

写真をどう表現したら?…木にぺたりとくっつくメタリック饅頭としか言いようがない。この姿は過程の中での未熟な状態のようです。

詳しくないが、"メタルスライム"や"はぐれメタル"なるものも連想させるその姿。森林界隈に似つかわしくないイメージのつや消しステンレス感。白っぽい時もあるようだし、次第に?チョコレートトリュフぽくなったりもするらしい。不思議すぎる。

春~秋に発生するものが多いようで、私もいつか実際に出会ってみたい。

粘菌のスケールがデカすぎて、全く想像できない生態。種類も多くて思考停止。
いろんな種類の姿を紹介してくれるたくさんのきれいな写真を楽しむ。写真載せたいけども。その姿たちを例えてみるなら…
集合体が特にだめじゃなくても
「うおぁっ!!」と一瞬本を閉じかける、
無限つぶつぶ状態な粘菌も度々。
なぜ木に筋子が?かずのこが?明太子が?ぺたり。ごま団子も納豆もいた。
確かに密談しているチョコポッキー群。
玉虫色のパールや珊瑚色の美しい宝石まで。色あざやかでとてもカラフル。海の幸を連想させるものが多いように思え、異素材コラボが度を超えていた。
かなりステキだ。
この本以外にも本屋のきのこコーナー近くに粘菌本は何冊もあった。
きのこや苔にも興味あるけど
粘菌、こんな驚き満載の美しい世界があったとは…。

本の後半には粘菌イラストのタオルなどグッズ紹介まであった。
マンジュウドロホコリのTシャツがあったらいいな…と妄想しました。


1年のうち、あまり、いや、かなり好きでない年末年始シーズン。独特のせわしない感じと、普段のそれより色濃く感じる行事への全員参加圧、定番化雑事圧にどんよりしてしまう。
最低限のことだけ済ませたあと、そこからなるべく距離をおける居場所を毎度探して過ごしている。
そこはとてもホッとする。
今回は本を購入したことで、楽しみができたともうホッとしていた。

先日、本の挿絵がお好きだという方のnote記事を読みました。
ホッとさせてくれる本の挿絵のことを
"安全地帯"と表現されていました。

なるほど…。私においてもその言葉はマッチするように思えます。この年末読書でちょっとのぞいた粘菌世界は、その"安全地帯"となりさらに楽しくしてくれました。

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