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やってわかった、法人ルート営業のキーポイント 『北極星をぶつけ合え!』

はじめに

昔、法人のルート営業をやっていた時の話です。
法人ルート営業のポイントがわかるまで、仕事の意義を見つけられず、不満という不満を抱えに抱えて仕事をしていました。
というのも僕がやっていた仕事というのが、決まった先に特に用事があるわけでもないのに訪問して、ただ話をして帰る。なにかトラブルがあった時は対応するが、自分の仕事で大きく売上が上がるわけではないという仕事だったからです。
「とにかく顔を出して仲良くなりなさい」「情報を持って帰ってきなさい」という指示があるだけで、退屈でやりがいのない日々を過ごしていました。
今回の記事はそのときの自分に宛てた記事です。
法人のルート営業に興味がある人や、現在その仕事に就いていて同じように仕事の意味を見いだせない人の参考になればなによりです。
では、どうぞ。

大企業の生態を理解しよう

「人に仕事をつけない、仕事に人をつける」が命題

まず、相手の企業の仕組みを理解することが大切です。
大企業はすでに成熟している組織です。
だから、急に大きな成長をすることがないんですね。逆に言うと、築いてきたものを使って安定した成果を出せる組織になっていると言えます。
その安定を維持するため、誰がやっても似たような結果が出せる仕組みが重要視されます。
その結果、多くの企業で「人に仕事をつけない、仕事に人をつける」意思決定が実施されます。

簡単に担当が変わるのが大企業

人に仕事をつけないためにも、1人の人がずっと同じ仕事をし続けるということはありません。
大企業を相手にしていると、今まで仕事をしていた人が急に別の部署に転属になるということが当たり前のように起こります。
今の取引先との関係性や本人の意思とは関係なく、急に仕事が変わってしまうのが大企業相手の営業です。
つまり、特定の人物との関係性ができて売上を伸ばすことができても、その人はある日突然いなくなり、今まで築いてきたものが一瞬で崩れ去ることが大いにあり得るのです。

法人ルート営業の鍵、「北極星」

とはいえ、取締役以下全員がコロコロ変わっているのかというとそうではありません。組織をピラミッドと見た場合、頂点に近くなればなるほど移動の頻度が下がってきます。ここが法人ルート営業の鍵だと考えています。
組織に対して強い影響力を持ち、他の人では代わりのできない。そんな人を「北極星」と名付けました。
担当者同士の関係性は簡単になくなってしまうので、相手の北極星と自社の北極星をつなげることができて初めて会社同士の関係性が構築されます。
北極星同士の関係性ができていない相手にはまず関係性を作ることが目標です。
すでに北極星同士の関係性ができている場合は、関係をより強固なものにすることや、次の北極星になりうる人物との関係性構築が重要になってきます。
自分の売上予算を達成するのはもちろん大切ですが、最も重要なのは北極星同士の関係構築であり、これができたら数字も自然とついてきます。

大企業で働く人の思考を理解する

では、次に考えるべきことはいかにして北極星との面談機会を作るかです。僕が見つけたのは2つの方法で、1つは相手の企業の中での自社の影響力を高めること(シェアを広げること)と、北極星に近い人と繋がることの2つの方法です。
今回はシェアを広げる際に重要な概念をまとめます。

大企業ならではの暗黙のルール

よほどの特許を持った技術でない限り、他の企業と大きな差のある製品というのは少ないのではないでしょうか?
そして、大企業にはそんな技術は真っ先に集まって来ているので、基本的に大企業の人が仕入れる製品というのは大きな差の無い製品となります。
そんな環境では、既存の商流を変えることが大きなリスクとなります。
今までの仕入先を急に変えたりすると、賄賂を疑われてしまうこともあります。
これが大企業相手に仕事をするときに非常に重要な概念だと考えています。
仕事の流れを変えるには、誰に説明しても通用する理由が必要となるのです。

気づいたら、シェア順位が変わっていたを目指す

とはいえ、今よりもシェアを大きくして北極星同士の接点を大きくしていかないと組織同士の関係性は強くなっていきません。
そこで重要なのが、自分の会社を選ぶ言い訳を用意することです。
そのために大切なのが情報を手に入れることです。
僕がやったのは2つで、1つ目がライバルのミスによる困りごとを掴むことです。これを解決できれば、ライバルのミス+自社のリカバーという言い訳を作ることができます。2つ目が新しいビジネスの話をいち早くつかみこちらから提案してしまうということです。すでに着手済みという既成事実はとてもいい言い訳になります。
このように誰が見ても、「この会社に仕事を依頼しても何もおかしくないよね」という状態を少しずつ増やしていき、気づいたらシェアの順位が入れ替わっていたという状態を作りだします。
そうすると、相手の北極星も仕入先の順位を把握しており、おかしなことをせずシェアを伸ばしている=頑張っているなと認識してもらえるはずです。あとはなにか理由を作って北極星同士の挨拶の機会を作ることができたら、最初のミッションコンプリートです。

まとめ

まず、自分の仕事として何を求められているのかをしっかり掴みましょう。担当同士の関係性による売上向上ではなく、会社同士の関係性による売上向上が求められている仕事です。
そして、相手である大企業の生態も理解しましょう。
相手の都合を考えずに無闇やたらと頑張っても、頭打ちになります。しっかりと伸びる可能性のある環境を作ってから売上を伸ばすのです。

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