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私は「ジェニーの好きな人」

こんにちは、絵本「かぞくです」著者のなるみです。
ジェニーは私のパートナーで、私たちは女性同士のカップルです。

プロフィール
女性同士のカップル なるみとジェニー。YouTubeチャンネル"Girls Right TV"を運営。パートナーシップ宣誓後、結婚式をLIVE配信。日本での 同性婚の実現に向けて少しでも発信したいふたり。多様性は子どもたちから始まると考え、絵本の作成を決意。                                                                      

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この記事では私の家族について、そして家族をテーマにした絵本「かぞくです」を作ろうと思ったきっかけについて書きたいと思います。


ジェニーと家族になる

私たちは同性カップルなので悲しいですが日本では結婚できません。

だけど「私はこの人と一緒に生きていく」という誓いをお互いの家族や友人に見守ってもらいたくて、そして祝いの力で同性カップルが可視化され同性婚の実現に一歩でも近づければと思い、式を挙げました。

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神父はジェニーのお父さんに、司会はジェニーのお兄ちゃんに、生演奏は私の親友に、皆にお願いして実現した手作りの式でした。

2人で愛を誓い合い、披露宴では練習したダンスや歌も楽しく出来て、親友からのちょっと恥ずかしいけどじーんと泣いたスピーチや、オンラインでもたくさんの方が見てくれたり、嬉しいことが凝縮された一日。

家族が増えた

そんな特別な一日の中で私が特に嬉しかったことは、家族が増えたこと、そして家族を実感できたことです。

ジェニーの両親は私のことを娘が増えたと笑顔で迎えてくれて、いとこたちも、その子供たちも、遠く離れて暮らす親戚たちまで、私を家族の一員として迎えてくれました。

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私はジェニーと家族としてこの先一緒に人生を歩めることが嬉しくて、ジェニーの家族が私を迎えてくれたのが嬉しくて、ジェニーがはめてくれた結婚指輪を見るたびにこの日のことを思い出しました。

旦那さんは何してる人なの?

式の日から結婚指輪を付け始めたことで、職場で声をかけられることが多くなりました。その時必ず聞かれた質問はこちらです。

「結婚したんだね、おめでとう!旦那さんは何してる人なの?」

私はオープンにしているので、「パートナーは女性で結婚はできないんだけど式を挙げたんだ。彼女はジェニーといって、、、ふにゃふにゃふにゃ」と毎回説明するようにしていました。
ただ、私が入る隙もないままに会話が「旦那さん」前提で進んでしまうことも多く、そういう時は諦めてその人の前提に合わせることもありました。(笑)

100%同じ質問をされて気づいたのは、この質問をした方に悪気があったわけではなく、幼少期から画一的な家族像やセクシュアリティの刷り込みが繰り返し行われてきたんだなということです。

「恋愛」「結婚」といえば男女がするもので、健常者の父と母、そこに元気な子どもが産まれる、といった具合にです。

そんな刷り込みが蓄積されているのに、大人になっていきなり「多様性だ!」と言われてもギャップがすごいよなぁと思いました。

それと同時に、だからこそ子どものころからの多様性教育は大切だなと思うようになりました。

なぜ絵本を作るのか、私のきっかけ。

そんなこんなで私はパートナーのジェニーと友人のまどぅーと一緒に、多様な家族を伝える絵本を制作することを決意しました。最近は運営メンバーとして加わってくれた仲間も増え、みんなでいいものを作ろうと試行錯誤しながら頑張っています。

実は絵本を作りたいなと思うようになったきっかけとしてはもう一つありまして。少し紹介させていただこうと思います。

それはジェニーの姪っ子ちゃんの一言でした。

ジェニー家族が私を家族の一員として迎えてくれる中で、いとこや姪っ子ちゃんとよく遊ぶようになりました。
当時姪っ子ちゃんは2歳くらいで、まだ建設的には会話できない年頃でした。
式用に作ったオープニングムービーが気に入ったようで繰り返し見てくれていたみたいですが、私の存在はよく分からなかったと思います。新しく来たよく遊んでくれるお姉さんくらいかなと。(笑)

そんな何度か一緒に遊んだ頃に、そろそろ私の名前覚えてくれたかな~と、自分のこと指差して「この人だーれだ?」と聞いてみました。

そうすると姪っ子ちゃんが、

「ん~~~(考え中)。ジェニーの好きな人!」

と答えてくれたんです。
その時私はびっくりして感動して時が止まってしまいました。

「この子分かってくれてたんだ、目の前の光景をただただ受け止めてくれてたんだ」と、胸がぎゅーーーんと締め付けられました。

同時に、この子がこれから見るメディアには私たちみたいな同性のカップルは出てこないんだろうと思ったらなんだか切なくなりました。
せっかく子どもは目の前の多様な世界をシンプルに見つめようとしているのに、大人が画一的な像を刷り込んでしまうんだなと思うと悲しくて。

だから、幼少期見るメディアで何度も繰り返し見れる「絵本」に多様性を表現したいなと思うようになりました。

いろんな家族がいる。目の前にいる。
その事実をただ受け止めて、自分が選んだ家族を誇りをもって愛せる。
そんな世界を目指して絵本を作っていきたいと思います。


最後に

6月下旬から、絵本「かぞくです」の出版に向けてクラウドファンディングをする予定です。

情報は下記のSNSでも更新していきますので、ぜひあわせてチェックしてみてくださいね。

【絵本「かぞくです」アカウントまとめ】

Twitter @ehon_kazokudesu
Instagram @kazokudesu_ehon
Facebook「絵本「かぞくです」制作プロジェクト」ページ


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