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動物が主人公の短編小説集

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『まさみとぼく』、『おれ、カラス』他。
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記事一覧

短編小説 『まさみとぼく 年の初めに』

いつも仕事が休みの日は、ピーチよりお寝坊さんのまさみが、どうしたことか、元日の朝八時に、…

鯱寿典
4か月前
89

短編小説 『まさみとぼく ピーチ、猫の国へ再び』

織田信長が戦国の覇者となりつつある頃、忍者の里、伊賀の国に、最強と噂される、くノ一のまさ…

鯱寿典
4か月前
103

『おれ、カラス クリスマスの奇跡』第一話(全三話)

やまちゃんはいつものお気に入りの場所、信号機の上から、下を通りすぎる車や、歩道を行き交う…

鯱寿典
4か月前
83

『おれ、カラス クリスマスの奇跡』第二話(全三話)

クリスマスの翌日に、やまちゃんがすずと再会を果たしてから、ちょうど一年が経っていました。…

鯱寿典
4か月前
79

『おれ、カラス クリスマスの奇跡』最終話(全三話)

「すごーい。パパ、すごいねーっ! はやーい。見て、パパっ! あれ、チョーきれい」 ふしぎち…

鯱寿典
4か月前
73

短編小説 『まさみとぼく ピーチのお仕事2』

まさみはピーチを動物タレント事務所に所属させました。仕事もあり、車を持っていないまさみは…

鯱寿典
6か月前
91

短編小説 『まさみとぼく ピーチのお仕事』

まさみは部屋のなかで頭をポリポリ掻きながら、小説を執筆中です。 今日からの三連休の間に、なんとか新作を書き上げようと必死なのです。 「んーっ、ここでこいつが登場するのはまだ早いか......んーっ.....」 などと、気難しい顔をしています。 「まさみ、こんなことわざ知ってる?」 ピーチはにやけ顔で、テーブルの下からまさみを見上げています。 「なに?」 「下手の考え休むに似たり、ってね」 「あんたねーっ! 私が真剣に物語を考えてるのに、なにそれ! はいっ、ピーチ

『おれ、カラス 七夕の奇跡』第一話(全三話)

「おい、久しぶりだな」 「おっ!プチさんじゃないか? なんでこんなところにいるんだ? クリ…

鯱寿典
10か月前
82

『おれ、カラス 七夕の奇跡』第二話(全三話)

「おい、すずっ! 元気にしてたか?」 やまちゃんは、公園の入り口の車止めに浅く腰かけて、…

鯱寿典
10か月前
72

『おれ、カラス 七夕の奇跡』最終話(全三話)

土曜日。やまちゃんは、すずに連れられて、すずの故郷に来ていました。 「やまさん。あれが私…

鯱寿典
10か月前
69

短編小説『まさみとぼく 猫の国の勇者、ピーチ』

「まさみ、なにしてるのさ。そんなにじっーと見つめられたら出るものも出ないよ」 「ピーチ、…

鯱寿典
10か月前
84

『おれ、カラス やまちゃんの初恋』

「やまちゃん、最近なんか面白いことあった?」 「うーん......あっ!そうだ。俺に石を投げつ…

鯱寿典
11か月前
88

短編小説『夢の続きは、』

「まさみっ!年始くらいシャキッと起きたらどうなの?」 「う~ん......ピーチ。お願いだから…

鯱寿典
2年前
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『おれ、カラス クリスマスの特別編』

「はしちゃん、今年も残すところあとわずかだね」 「そうだね、やまちゃん。この一年、色んなことがあったけど、ここまで、お互いに何とか生き延びたね」 二羽のカラスが、大通りの交差点近くの電信柱の上で、今年一年を振り返っています。 12月25日、クリスマス。 午後5時を過ぎて、仕事帰りの人びとが足早に家路に向かうなか、趣向を凝らしたクリスマスデコレーションや煌びやかなクリスマスイルミネーションで飾られ、恋人たちや家族連れの笑い声、陽気なクリスマスソングで街は活気に溢れてい