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【私の仕事】 忘備録(38)「女神」ママさんの新しい中国エステ店

◆この記事の内容:

中国メンズエステ「女神」ママさんが、新店舗をオープンしたことを書いています。


【私の仕事】 忘備録(37)「女神」ママさんと再会からの続きです。



赤いカーテンをまくってニコニコ顔で飛び出して来たのは、女神のママさんだった。

涙を浮かべている。言葉が出ないようだ。実際には何かしゃべっているが、よく分からない。すぐ僕の手を引っ張って、カーテンの奥へ連れていった。

カーテンの前のスペース、玄関のスペースは4畳ほどあるのに、奥は3畳程度。そこに仕切りを作って施術室が2つあった。1つの施術室は1畳程度。ちょっと狭い。

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セラピストママさん

そこに腰掛けるようにママさんに言われた。ママさんのコスチュームをまじまじと見て、気がついた。そうか!ママさんは、ここでセラピストとしてやっているか!ママさんは1人でこの店をやってるのだろうか。。。

ママさんがセラピストをしてるなんて想像できなかった。申し訳ないが、ママさんに対しては、親戚のおばちゃんを通り越して、「ちょっと若いおばあちゃん」のイメージを持っていた。


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赤いミニスカートのママさんは、施術ベットに座っている僕に、缶コーヒーを渡した。

ママさんは、僕の横に並んで座った。至近距離で不思議なものを観察するように僕をずっと見つめている。

僕は、以前の思い出を話し出した。日本語はほとんど通じないので、ジェスチャーが多くなる。さすがに店で起こった傷害事件のことは言えないので、僕の自転車がパンクしたとき自転車屋まで一緒に行ったこと、レイちゃんが顔を全部取り替える整形をして大変だったこと、ミミさんたちとよく川の字で一緒に寝たね。。。など僕はできるだけいい思い出を話した。

ママさんは懐かしさからか、涙を浮かべた。僕も涙が出そうになった。出ていたと思う。それを隠すために、


初めて渡す名刺

「あっそうだ!」と僕は、名刺をママさんに渡した。ママさんの店を手伝っている頃は、何も仕事をしていなかったので名刺なんか要らないし、作ってなかった。そのとき、僕自身、名刺を渡す行為が嬉しかった。

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名刺を渡すとママさんも嬉しそうだった。でもママさんは日本語をほとんど読めないので何が書いてあるか分からない。

僕はスマホを使って、自分のホームページを出したり、画像を出したりして自分の仕事の説明をした。

仕事の内容は分かってくれたようだ。でも、ホームページ、動画制作は要らないようだ。ママさんの表情から判断した。


2階へ

ママさんは、僕の手を引っぱり、2階へ連れていった。木製の狭い階段である。木の階段、子供の頃、遊びに行った親戚の家を思い出す。

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2階は広かった。10畳はありそうだった。古いが大きいキッチンもあり、奥にベットも見えた。全体的には散らかっていた。まだ段ボール箱にいろいろ入ったものが、そのままになっていた。まだ引っ越して間もない感じだった。


中華素麺

ママさんは、キッチンのすぐ横のテーブルを指さして「座って」と合図した。

真冬ではないが、部屋は少し寒かった。ジャンバーを脱いで、椅子にかけて、トイレを貸してもらった。トイレは昔のタイプで懐かしい感じがした。簡易的に水洗トイレに改造してあった。

トイレから戻ってくると、僕のジャンバーがない。「あれ? 今さっきこの椅子にかけたはず。」と思って周りを見渡すと、「げっ!」ママさんが勝手に着ている。

ジャンバー姿のママさんがキッチンで何か作っている。そうか、ママさんも寒い。ミニスカートだもんなぁ。。。

ママさんは麺のようなものを茹でている。近くよって見ると、麺と思ったのは、素麺だった。野菜なども鍋に一緒に入れて麺を煮込んでいた。

ママさんは、「ラーメン、ちょっと待つ。食べる」と割ばしを僕に投げた。

ああ、僕のために作ってくれているのか。。。

出来上がって食卓に置いてくれた。すごい量だ。ママさんも食べるのかと思うと、食べない。

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この量で自分1人用か。食べてみると、まずい!思った通り食べれたもんじゃない。麺がまだほぐれていない。味は醤油だけだ。ママさんは料理できないのだ。以前の店では、韓国人のミミさんが作っていた。

でも、気持ちが嬉しいので、なんとか胃に流し込んでいた。

食卓にあった紙に書いたり、スマホを使ってママさんと会話した。


ママさんの実情

ママさんが新しいこの店に広告動画制作は要らない理由と今後の気持ちがわかった。

まず、お金に困っていない。まとまったお金が入った。このビルも借りているのではなく、購入した。これからはずっとここで暮らしていきたい。

お店は流行って欲しくない。理由は風俗許可書をとってないので、警察に睨まれたくない。ホームページは作っているが、YouTube広告動画までつくって目立ちたくない。

この店はお客さんが日に1人でもあれば、自分一人が生活する分なら暮らしていける。それに、以前の店の常連さんもときどき来てくれる。

このメンズエステ業界、30年やっているママさんが言うから間違いない。生活は大丈夫なようだ。もし、僕が大阪市内でメンズエステをやるんだったら、女性セラピストはいくらでも紹介できると言ってくれた。僕はやろうとは思っていないけど。。。


ところで、なぜ、まとまったお金が入ったかというと、入院していた日本人の旦那さんが死んで、その関係のお金が入ったからとママさんは寂しそうな顔で言った。

そうだったのか! ここで初めて、旦那さんが死んだことを僕は知った。

麺が喉を通らなくなった。「いつ死んだの?」と聞いたら、「いま」と言った。おそらく先月くらいだと思う。

もう少し突っ込んで聞くと、8月にママさんが経営する中国メンズエステ「女神」の店がつぶれた後、少し経ってから旦那さんが死んだようだ。9月から11月頃までは、とても忙しかったらしい。


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話していると、ドアを開けて誰かが入ってきたようだ。1階から男性の声がした。客ではないことがすぐわかった。勝手に階段を上がってくる気配がする。。。  

私の仕事】 忘備録(39)ママさんの新しい彼氏? へつづく


👇ご参考:中国メンズエステ店「女神」のママさんとの経緯を書いたnote記事


*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。

◆ご注意:一部の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されていますが、すべて18歳以上向けです。

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