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ライブハウス

秋が深まると、なぜか音楽が恋しくなります。

「ベースを弾いてみよう。」

クローゼットからケースを引っ張り出します。表側のポケットをがさごそと探すと、セットリスト(曲順の書いた紙)が見つかりました。懐かしい。友人の筆跡です。

せっせとデモテープを作っては、ライブハウスに売り込みに行っていた頃を思い出しました。学生でしたので、学園祭や定期的な演奏会など、機会は幾度となくあるのですが、やっぱり街中の「ライブハウス」に出てみたい!ライブハウスを、お客さんでいっぱいにしているバンドを目の当たりにして、かっこよくて仕方がなかったのです。
 
そしてとうとう、ボク達にも出番がやってきました。たまたま、アマチュアを育てようとしているマスターの目に留まったようです。暗がりの中、演奏に必死でお客さんの反応を感じ取る余裕はなかったのですが、なぜか「ギャラ」だけは、はっきりと覚えています。

150円。

売り上げたチケットから、機材の借用代を引いて600円。それをメンバーで割るのです。その後、何度がライブハウスに出る機会はあったのですが、なぜかこの時のギャラだけは、未だに忘れずにいます。もちろん、「飲み会」で一瞬に消えていきましたが…。

京都・鴨川と高瀬川に間に佇むライブハウス。久しぶりに行ってみようかな。

【2023年11月6日 初出】

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