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2022年観劇日記 その2

芳田です…今年最後の公演が終わったかと思いきや、(いろいろな意味で)情緒がぐちゃぐちゃになるニュースが流れ込んできておりますが、ヅカオタ同志の皆様、ご自愛されておりますでしょうか…
本記事は「観劇日記」なので詳しくは書かないけど、セクハラ・パワハラはプロジェクトに関わるすべての人間が意識して、撲滅するための行動を起こさないといけないですよ。もうね、パワハラサバイバーとして絶対に許せない。暴言や嫌味ってね、ずっとずっと心の深い部分でズキズキ痛むんだわ。

さて、年の瀬も年の瀬なので、今年の観劇日記を書き留めたいと思う。とはいえ、前回のようにかなり語ってしまいそうなので、特に印象に残った作品をピックアップして、極力端的に書き連ねていきたい。
ちなみに今回書いたものはすべて配信で観た。そう、配信で観たのだ…

①宝塚歌劇団花組「The Fascination!」

花組公演 『元禄バロックロック』『The Fascination(ザ ファシネイション)!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ (hankyu.co.jp)
今年いちばん好きなレビューその1。お芝居「元禄バロックロック」もなかなかに凝ってて面白かったけど、印象に残ったという点ではこちら。
美の化身かつ最強ダンサーのトップスター・柚香光さん(以下れいさん)と娘役レベル5000億のトップ娘役・星風まどかさん(以下まどか様)率いるスターさんたちの所作はどこを見ても美しく、惚れ惚れしてしまう。それとれいさんとまどか様は舞台上でイチャイチャしがちなところが推せる。もっとイチャイチャしろください。
花組さんは上品というか、クラシカルで華やかな演目がとても似合う。「The Fascination!」はそんな花組さんにぴったりの演目だった。男役さん・娘役さん、ベテランさん・若手さん問わず全員に見せ場があるし、「花」というテーマにフォーカスを当てた分かりやすくかつ見ごたえのある、宝塚らしさのあるショーとして大満足な作品だった。それと「FULL SWING!」よりもスウィングしている曲が多かった気がする。
特に目が離せなかったのは音くり寿さん(以下音くりちゃん)。音くりちゃんは尋常じゃない技術力を持ち、本気を出せば舞台全部をひっくり返して彼女色に染め上げることなど容易くやれるであろう方だ。ただそんな奢るような真似は一切せず、あくまで一娘役として舞台を俯瞰し役割を全うする。そのお姿はまさに「ミューズ」だった。永久輝せあさん(以下ひとこさん)とのダンスではお相手をうまく引き立てるし(このときの衣装がまた最高だったんですわ…)、ソロ歌では舞台をグッと華やかにする。まさに「舞台人」としてかなりレベルの高いスターさんだった。
なお音くりちゃんはこの次の本公演で退団してしまった。嬉しいことに彼女はこれからも舞台に立ち続けるみたいなので、個人的には娘役さんのミッションから離れ、大暴れする音くりちゃんをぜひとも観たい。全国の舞台プロデューサーさんたち、強請(オネダリ)良いスね…?

②宝塚歌劇団花組「冬霞の巴里」

花組公演 『冬霞(ふゆがすみ)の巴里』 | 宝塚歌劇公式ホームページ (hankyu.co.jp)
個人的には今年のオリジナル脚本の中でいちばん好きだった作品。花のある立ち振る舞いが持ち味の「ザ・宝塚男役!」ひとこさんの主演作。
別箱公演は大劇場公演と違ったスターさんの魅力を浴びられるのが良い。広さや設備の制約があるからこその演出が楽しめる。こちら「冬霞の巴里」もまさにそうで、「宝塚らしくない」という意見もあったようだが、個人的には宝塚らしさはちゃんとあったし、その中で緻密かつ斬新な芝居としてうまく成立していたと思っている。まさに「ベル・エポック」の影の部分をそのまま(汚い部分も含めて)具現化したような舞台装置に、登場人物の役割をストレートに表すお衣装にお化粧。薄暗さのある演出と合わさって、アングラ演劇の様相さえあった。救いようのない世界の中でドロドロする家族と、危なっかしい姉弟愛。私としては小劇場の舞台特有の埃っぽい空気感が香る、すごく大好きな作品になった。指田先生…今後ともお願いしますね…(ストルーエンセはチケット戦争に敗北したので)
特に印象に残ったのは専科・紫門ゆりやさん(以下ゆりや様)。月組時代の「桜嵐記」では腹黒い武将役で、仕草も声も男性にしか見えず驚いた記憶があった。それがなんと女役!もうね。美しすぎるのなんの。社交界の花として、母として、妻としての貫禄もすごいし、後半からのどんでん返しも見ものだった。そして最後のショーでも女役じゃないか!本当に昨年まで邪悪武将だったのかあの美女は!?ゆりや様、完全に沼りました。スチール写真もブックマークも買いました。助けてくれ。
それから聖乃あすかさん(以下ほのかさん)も見ごたえがあった。この方はどちらかというとフェアリー感ある男役(どうしても「はいからさんが通る」のイメージが強かった)だと思っていたのだが、社会の闇を煮凝りにして擬人化ようなお役になっていて腰が抜けてしまった。こんなお芝居もできたのか!と観る目が一気に変わってしまった。ちなみにほのかさん、この後の作品でも大活躍しており、(烏滸がましいけど)男役度が劇的に跳ね上がっていて見逃せなくなっている。年明けの本公演も楽しみだ。

③宝塚歌劇団星組「Gran Cantante!!」

星組公演 『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』『Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!』 | 宝塚歌劇公式ホームページ (hankyu.co.jp)
「The Fascination!」と並んで今年いちばん好きなレビューその2。ヅカオタ研2になり組それぞれの個性を見つけられるようになってきたが、星組さんのレビューはずばぬけてギラギラしている。花組さんは美しい花々にリボンをあしらった豪華なブーケ、月組さんは花も枝も葉も映える洗練された生け花ならば、星組さんは夜空も真昼のように照らすレベルの花火大会だと感じている。それくらい組によって個性がある。
このショーもそんな星組さんにピッタリの内容で、ほぼずっとテンションが高いまま1時間弱を駆け抜けていった。それなのに観劇していて疲れないのは、星組スターさんの力量と藤井先生の演出力の賜物だと思っている。
「Gran Cantante!!」の名前のとおり、星組トップスター・礼真琴さん(以下こっちゃんさん)は稀代の歌手。れいさんはダンス、れいこさんは芝居がずば抜けて上手いが、この方は文句なしに歌。まさに大輪の花火の如き輝きで舞台を照らす。これぞトップスター!といったオーラに満ち溢れていた。宝塚随一のディーヴァ・専科の美穂圭子様とのデュエットにはもうひれ伏すしかなかった。もうずっと聴ける。
トップ娘役・舞空瞳さん(以下なこちゃん)も可憐で何していても目を引く。こっちゃんさんを引き立てるのも上手いが、個人的には男役を引き連れてオラオラしているお姿が大好きだ。余談になるが、私の周囲にいるドルオタ(というよりハロプロオタク)はなこちゃんの虜になるケースが多い。可愛くて強いお嬢さんは至高!とのこと。分かる。
お二人の輝きもさることながら、どなたよりも強く温かな光に包まれていたのは本公演で退団された天寿光希さん(以下天寿さん)。別の公演で基礎力激高&美しすぎるお姿を観て密に推していたのだが、まさかの本公演で退団。音くりちゃんのときもそうだったのだが、何故チケット取れなかったんや…と非常に後悔した。悲しかったが、「Gran Cantante!!」は天寿さんの見せ場がとても多く、歌もダンスもなんとか目に焼き付けることができた。そして最後のエトワールですよ。もう号泣。藤井先生、天寿さんをエトワールに選んでいただいて本当にありがとうございました。
ちなみにお芝居「めぐり会いは再び~」もわちゃわちゃ明るくて面白かった。何より娘役さんのご活躍が多かったのが最高。芳田はスズランのようなお嬢さん、牡丹のようなお姉様、紅梅のような貴婦人が活躍するお姿を観ると笑顔になるオタクなのだ。


はい、ここまでで3,000字をゆうに超えてしまいました。

誰だよ「端的に書く」って言ったやつ。まあ音くりちゃんについて語り出したところから「無理では?」とは思っていたが。
本当はグレート・ギャツビーとかブラックジャックのことも書きたかったのだが、さらに文字数が増えそうなので今回はここまでにしておく。
何とか年内にはまとめてしまいたい!



文化庁さんよ、そろそろ舞台に立つすべての人を守るための法律とかガイドライン、作らないかんのじゃないですか?  芳田

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