【まえがき】

自身の事なのに、分かっている様で、分からない。
説明しようとしても、説明出来ない。
第三者がいて、見届けてもらわないと本当はどうなんだろう。

そんな、お話である。

あるある話なのか、私だけに起こる話なのか。

それでは、どうぞ。
 
 
【本　編】

どうにも説明のつかない事って、ないでしょうか。
私にはあるんだな、これが•••。
 
毎朝通勤で、健康のため？痩せるため？と思いを馳せ、せっせと駅までの道のりを早歩きで１５分程度歩いているんです。

 
ある日仕事を終え、飲みに行った帰りのこと。
最寄り駅からの帰り道での出来事である。

キツネにつままれたのか、朝は１５分程度で歩けるところが、3時間もかかるって言うじゃな～い。
他に寄り道したわけでもないのに…。

一体、何故？

私の身に何が起こったというのか。
まさか、オヤジ狩りにでも遭遇したとでも。

しかし、無事に帰宅している。
服も汚れてなどいない。
ふと、時計を見上げると、

なっ、なんと！

終電に乗ったわけでもないにのに、終電で帰るよりも時間を要している。
何だ、時計が狂っているのかと思いきや…。

次の瞬間、クワッとお目々を見開いた。

うむっ！
一体、何が起こったというのか。

背筋に汗が伝わり落ち、ゾクッとする。
身の毛もよだつ光景を目の当たりにする。

家には至る所に時計があるのだが、どの時計も同じ時間を示している。
そう、狂っていたのは、何を隠そう、時計ではなく、この私だったのです。

ガビィーン！

時計さん、ゴメンなさい、私が間違っておりました。


空白の２時間４５分、、、いずこに！

頭の中を、グルグルと時をさかのぼる。
バックフィチャーしている間に、私は寝てしまっていた。

気を取り戻し、その日は深く考えることなく、風呂に入って寝た。
 


翌朝、昨日の記憶をたどってみた。

しかし、妙な話である。
駅周辺に立ち寄る行きつけのお店などない。
一体、私は何処に行っていたのか。

そうか、未確認飛行物体にさらわれて、記憶を消されてしまったのでは、、、あるまいか。

慎重に思い起こそうとするが、とんと思い出せない。
 


次第に、そんな事やあんな事があったことなど忘れていた。

２～３ヶ月が過ぎたある日。

また、同じ現象が起こった。

これは、おかしい。

何か、裏があるのでは。
誰かに、付けられやしていなかったか。

そう、何時も私の後ろには誰も立つなと言っている。
ゴルゴの旦那みたいに！

しかし、後ろばかりに注意を注ぎ、目の前の生垣に気付かず、頭から突っ込んで行ったことも、たまにある。

ご愛嬌である。

次こそは、実態を確認すべく調査に乗り込む。

しかし、酔っているのか、眠いのか、粒らなお目々をバチクリと見開いて挑んだ帰り道。
私は、歩道を真っ直ぐ歩いて行く。
信号が赤で止まる。
信号が青に変わり、左右ヨシ！進み出す。
難なく、帰宅した。

何の変哲もなく、帰宅している。
にもかかわらず、妙な胸騒ぎが、、、。

別に揚げ物を食べ過ぎて、胸焼けしているのでは無い。

ふと、時計に目を向けた、その瞬間。

トイレに駆け込んだ！

結構、頑張った方だと思います。
自分を褒めてやりたいと思います。
どうでもいい話であるが、私にとっては、チビるかどうかの瀬戸際であった。

ふぅう～と、一息
そうや、もう一度、トイレの中にある時計に目を向けた。

あっ！っと、力んでしまった。

ブリッ、その後の事は、ご想像でお楽しみ下さい。って、あんた。
 
じゃなくて、またしても駅から家着までの時間が経過し過ぎている。
今日は、何事もなかったはずである。

うむっ！？
『　はず　』って、どういう事？

頭の中では、グルグル回り解析中。

あっ、信号！

信号が謎解きのカギになるのでは。
車の通りも減り、歩いている人影も疎らであったが、信号が青に変わり、私が渡る際には、車も人も、全く居なかった。

一瞬であったはずの瞬きである。

私は今、はにかんでいる。

その時、周りに居た方には変なオッサンに見えたことでしょう。
普段も変なオッサンだが。
何か問題でも。

そう、私は信号待ちの僅かな間に、立ったまま寝てしまっていた様である

しかし、これは推測の域を脱しない。
誰も私の行動を見てたわけじゃないのですから。

おしまい

ｂｙ　まるまるの虫　カメさん
 
 
【あとがき】

いや～、自身でも分からない行動を、知らぬ間にしてしまっている事ってないでしょうか。

多分、そんな事があるときってのは、睡魔に襲われている時に、起きがちではないでしょうか。

そう、ノンレム睡眠状態で夢遊してる感じなのかしらね。

いくら酔っていても、目を閉じていても、野生の本能で家路に向かうものです。

溝などに落ちていなければの話ですがね。

それでは、皆様ご安全に！