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”背景を理解する”ということ。

共通テスト問題が流出したというニュースを読んでいて色々考えてしまったので、このニュースから派生して「組織における”背景を理解する”」について私の”想い”や仕事について書いてみたいと思います。

背景を考えてみる

今回不正をしたと言われている彼/彼女をここまで追い込んだものは何だったんでしょう...
コンビニやスーパーで、ポケットに入れているスマホを取るってだけで万引きに見えないだろうかと思ってしまう私から考えると、スマホを試験会場に持ち込み、試験官に、前後左右に、ばれないように操作するなんて服が汗でびちょぬれになるよ...案件です。
ということは、彼/彼女はそれ以上の辛いことやプレッシャーがあったと予想するのですがどうでしょうか。

”いや、大人をなめてて、別に不正なんてヨユーでしょっていう人物なんじゃないの?”と人物像を断定して、監視カメラを増やした方が...って議論するのも悲しい気がします。

組織やチームでも「あの人は文句言わなきゃ気が済まない人なんですよ」「あの人はいつも言動が一致してないんですよ」などなど、よく人物像を断定した上で対策をどうとるかに焦点をあてるのもよくある話だなと。
もちろん断定するに至った理由はたくさんあるし、そこもケアしたいところですが、断定してしまうと全員で道に迷っちゃいます。
ほら、刑事ドラマでも「まだ断定するのは早い」って言うでしょ。
断定したら事件解決できなくなっちゃう😎

組織において「道に迷う」「事件」とは、働く人が楽しくないこと、自分ってなんだかわからなくなること、自分の居場所が見つからないこと、社員も会社も成長できないこと、社会に貢献できないことと定義するとして、そこを解決するために私は ”背景を理解する” を重要な要素の一つと考えています。

”背景を理解する”ステップ

”背景を理解する”と一言にいっても中々難しいものですよね。
毎日機嫌が悪い人、隙あればさぼる人、言い方がきつい人...
どうしてこちらばかりがその人たちの背景を理解しなくてはならないの!という気持ちも良くわかります。
なので、最初から背景を理解する必要はない!
むしろそれは後々ひずみが起きやすくなる”と私は思っています。
では組織において、”背景を理解する”とは、どんなステップで進むのか。
私がいつもベースにしているステップを記載してみたいと思います。
(長くなるので大項目ステップのみで細かいステップは省きます。)

Step1.組織チーム内で、あいさつを続ける

至極あたり前のことを書いてしまいましたが、意外とできないもの・できてないものだったりします。あいさつしても無視される、せっかくしたのに嫌な態度で心が折れるという場合ももちろんあるでしょう。

でも、お地蔵さまに(心で)挨拶する人結構いますよね?!(私です)
物理的には石の像だけど、私の中では”道を地域を見守ってくれるお地蔵さま”だから挨拶しちゃう。動物園のパンダに「かわいい...♡」と最高の賛辞を送ってもパンダは無視して笹食べてます笑
それは対象が尊かったり、かわいいからだ!とおっしゃる気持ちもわかります。ただ、”尊い””かわいい”も”自分の意識”です☺

どちらも、言いたいことあれど”あいさつする”をまずは続けてみることからスタート!✨

Step2. 雑談できる状況を増やす

雑談できる状況といっても、できてないから困っているわけで、ちょっと意図的に作る必要があるかなと思います。よく言われる”アイスブレイク”ですが、長年働いている仲でも意外に大切です。

「目玉焼きには何をかける?」
1.ソース
2.醤油
3.塩
4.その他

みたいな簡単なアンケートやお題を週に一回出す。全体ミーティングの前に投げかける。そういう機会を増やしていく、心がける。これだけで、知らず知らずに相手のことを知ることができたり、興味が出たりします。結構面白いです。
ポイントは、「誰がどんな答えをしているのか分かる/わかっても大丈夫な問題」「回答に時間がからなそうな問題を選ぶ」です。”好きなマンガを教えてください!”なんかも嗜好性や情緒性も垣間見れるのでおススメ。
(ちなみに私は目玉焼きには醤油です。笑)

Step3  何をしている人か何が得意か話す場・理解するを設ける

「何の仕事をしている」「何が得意・どんな作業が好き」「何に一番気を付けている」などなど意外と知らないものです。
「ケアレス凡ミスがないように気を付けている人」と、「とにかくスピード感を持つことを気を付けている人。」お互いが何に気を付けているかが分からないとイライラの原因になっちゃう。
何が得意でどんな作業が好きなのか、聞く機会ないまま「校閲はいつもAさんだから」とお願いするのと、「Aさんに見直してもらうと確実で安心だから」とお願いするのとでは受け取る方もお願いする方も意識が全く違います。どちらが心地よいかは言うまでもなく☺

Aさんのいいところを10個書き出す(無記名でOK)
→Aさんのいいところを全員分回収してAさんに渡す。

自分の得意なコト、好きなコト、気を付けていることなどを書く
→みんなの前(小さな円陣も可)で発表する。

こういう場を設ける(研修をする)と”背景を知る”ことの素地がだいぶできてきます。できたら発表の場にはオブザーバーがいるといいです。私は司会件、オブザーバーで参加してうまく伝えられない人、誤解がありそうな時、のサポートをしています。(もちろん全員との1on1済、step2のアンケートの回答全て把握済での参加です☺)

Step4. ビジョンと目標の共有

3までの間に色々なステップはありますが、大項目だけ、とすると次はこれです。”チームでのビジョンと目標の共有”。
同じビジョンの元働き、目標を共有し合うことで”自分の居場所”を認識できるのが最大の利点です。

ただ、Step4は会社の理念、ビジョンが明確化されていること、会社全体の目標、部署ごとの目標、チームの目標とそれぞれがはっきりしていること、また目標は定量的なもの(数値的なもの)だけではなく、定性的なもの(行動指針のようなもの)とのバランスが取れている事、理念やビジョンと沿っている事などがとても大切になります。
これが整っているという段階で、さて3ヶ月間はこれを目標にしてみましょうかね、とチーム内で相談すること、自分たちで決めていくことに意味があると考えています。

英語の点数が30点だったら、毎日1つ単語覚えよう!とか、次の試験までに関係代名詞は完璧にしようとか、攻略法を考えますよね?☺
ドラクエでも突然、魔王倒しにはいけないですよね笑?
”みんなで”そして”自分で”決めた四半期(もしくは業種によっては)1ヶ月の目標をクリアしていく。達成感を、成功体験を積んでいく。
そして大切なのは”なぜ英語の点数が30点ではだめなのか。点数UPする必要があるのか”が明確化できており、共有できていること。

さてこれがなぜ”背景を理解する”ことに繋がるのか。

桃太郎と、浦島太郎と、金太郎がStep3までで、お互いのことを深く理解したとします。でもこの3人が一緒に何か目的を達成しないとやはり組織においては、”背景の真の理解にはつながらない”と私は思っています。
助け合ったり、支え合ったり、認めあったり、慰め合ったり、たたえ合ったり、こういう動的に動くシーンがある方がぐっと実感が沸く。

私はNTTに入社して支店に配属になり、そこにいる超先輩方が飲み会の度に「いやぁあそこの電柱工事は大変だったんだよ。もう20年以上前になるか。あの時は山田さんは別の部署で、でも材料が間に合わないってときに動いてもらってほんとあれは助かりました。あそこは土が特別で...」のような話を繰り返すのを聞いて、楽しそうだなぁ、繋がりが深いんだなぁと思ったのを覚えています。(だから何回も話すんだなと😉笑)

生身の人間だからこそ、組織やチームにおいては、気持ちが動くシーン、共に頑張るシーンがあってこそ”深く理解していける”と私は思っています。

最後に
ルールは縛るためではなく守るためがいい。

さて、ここまで組織において”背景を理解すること”ステップについて記載してみました。

最後に、元ニュースに話を戻すと「監視カメラを増やした方がいい」「試験官増やすべき」という意見もありますね。

理想論なのも性善説なのも承知の上で言うと、ルールは縛るためではなく、守るためにあるといいなと思います。入試ではハンカチすら許可が必要なところも多く、手汗で悩む人などはハンカチ一枚で解決するところ、わざわざ診断書を取りにいったり、制汗剤を買ってみたりとても大変みたい。

監視カメラを増やすとカンニングを防げるという思考よりは、それぞれが自分の実力を発揮できる環境で受験ができること、に注力する方向がいいなと思います。

それは組織においても同じで、みんなが自分らしく、のびのびと、楽しく仕事ができるようになるといいなという気持ちと同じです。ルールで縛ることは簡単ですが、縛るまでもなく、それぞれの職で”絶対やってはいけないこと”をみんながきちんとわかっているという場を作ることの方が温かく、本来会社が存在する理由を発揮できるのではと思っています。

長くなっちゃいました。今回はこの辺で。

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