見出し画像

【酒話】プロポーズ 断られたら 即坊主

友人がプロポーズをした。
結果は見事成功! おめでとう。

友人から、「プロポーズをする」と聞いたのは、先日、杯を交わしていたときだった。
覚悟を決めた男の表情に、僕は感動した。
成功はするだろうな、とは思っていたが、応援することをやめなかった。というより、応援することしかできなかった。

友人は、旅行先の旅館でプロポーズをした。
プロポーズをする約2時間前。とてつもなく緊張していたのが、携帯電話のメール画面、その無機質なゴシック体からも伝わってきた。
普段はユーモラスな友人なのに、このときばかりは、僕の著作権フリーの面白ギャグ、「ちゃっかり八兵衛」を使っていたから、相当追い込まれているのだと思った。

予定通り、プロポーズを決めて、2ショットの写真が送られてきたときには、なぜか泣きそうになるほど嬉しかった。僕はなにもしていないのに。

友人は、プロポーズの際、奥さんとなる彼女に、花束を贈ったのだが、その花屋さんを紹介したのが、僕だった。

僕は、花が格好よくて大好きだ。
花は、強く生きているから咲いている。
その姿に、人生を重ね合わせてみる。
まだまだ、強く生きられない自分がいることに気付く。
では、友人はどうだろう? 強く生きている。

「結婚とは、形」だ。
在るか、ないか。
結婚をしたからといって、相手に対しての愛情が変わるわけでもなければ、たとえば、同棲をしていたとしたら、生活までも変わらない。
では、変わるものは、なにか?
形だ。紙切れ一枚だけれども、形になる。

元来、形在るものにする大変さを、僕たちは知っているはずだ。

たとえば、「心」とは、なんだろうか?
脳? 胸の奥? はたまた涙か?
一見、形のないものを、形在るものにする作業は、常に優しさを伴う。

だから僕は、結婚という、形在るものにした人たちを、尊敬する。
本当に、おめでとう。

さて、僕は、花屋さんを紹介しただけなのだが、友人から、旅行先の地酒をお土産にもらった。これも、このコラムをしている影響だ。

画像1

「向井酒造 京の春 純米吟醸 ええにょぼ」
これで、ピンと来た人は、年齢がバレるので、ご注意を。
1993年に、NHK連続テレビ小説で放送されていた、あの「ええにょぼ」である。
「ええにょぼ」とは、丹後弁で「美人」を意味する言葉だ。

名前を大切にして、選んでくれた。
僕が、人にしても、酒にしても、名前を大切にしていることを、よく知っている、友人ならではのプレゼントだ。
ありがとう。

これからも、「ええにょぼ」な夫婦で、生き合ってほしい。
惚気話を聞きながら、杯を交わすのも、悪くないな。

ここから先は

36字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?