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【オルタナティブスクール実践】何もしない時間が大事

24年度の4月からありがたいことにオルタナティブスクール(小学生年代)に関わらせていただくことになりました!!
神戸市にある『ラーンネット・あーる』という新しいスクールです。
(ラーンネットグループは25年ほど前からオルタナティブスクールを運営していて、そこに新しくできたスクールになります。)
スクールについてはぜひこちら↓をご覧ください。

特徴はなんといっても『余白』がたくさんあるところです。
子どもたちはゆとり満載の時間割(あまり時間で割ってもいないが)の中でのびのび、エネルギッシュに、自由に日々活動しています。

そんなスクールに関わらせていただきまだ1ヶ月ですが、
なんとなく感じた『余白』の重要性について今回は書いてみたいと思います。


🔸自分でやりたいことを選べない子ども

最近、子ども(幼児児童)向けのアート×ワークショップをされているイラストレーターさんのお話を伺う機会がありました。
曰く「何をしたいか、どれで遊びたいか、何色を使いたいかなどを聞いても選べない子どもがいる」「自分で選ぶように促すが、お母さんに選んでもらおうとする」そうです。

自分で選ぶことを好まないのか、選ぶことにストレスを感じる(恐怖などを感じる)のか、、
理由は定かではありませんが主体的に生きる上で僕が大事だと感じている「自分自身をワクワクさせる力」が阻害されている子どもがいるのは事実なようでした。

確かに、小学生を含めて子どもは本当に忙しいです。
ベネッセが2013年に調査した研究結果によると小学生の51.2%が「忙しい」と感じており、74.2%が「もっとゆっくりすごしたい」と回答しています。
睡眠時間や宿題、習い事、メディアを見ている時間を抜いた自由時間や
ぼーーっとしている時間はほとんどないのではないでしょうか?

ベネッセ教育総合研究所(2013)
https://berd.benesse.jp/shotouchutou/opinion/index2.php?id=4284

🔸暇な時にやりたいと思うことが『興味・関心』

上記で子どもの自由時間から習い事やメディアを抜いたのは僕なりの理由があります。
これは人によって捉え方に違いがあるかもしれませんが、習い事やメディアは子どもたちが自由意志によって選んでいるように見えて、実は外的要因によって半強制的に選んでしまっている可能性が多いと考えているからです。

習い事は一度初めてしまったらなかなかやめることができなかったり、その日の気分によってやるやらないを選ぶことができない場合が多いです。
メディアについては言わずもがなですが、大人ですら依存する代物です。興味がない場合を除き、自分の意思で見ないことを選択することが難しかったりします。(なんとなく見続けてしまうようにできているので)

では上記のような時間を除いた、自由時間がなぜ重要なのでしょうか?
子どもたち自身の『興味・関心』を引き出すのにはこの自由時間が必要なのではないかと考えています。

ラーンネットグループの代表である炭谷さんがnote記事の中でこんな風に表現しているとを見つけました。

「空腹と満腹のバランスがちょうどいいのかなと思っていて。与えられすぎると、もういらないってなるじゃないですか。でも程よくお腹が空いていると、自分で満たそうとする。」
「余白があればあるほど、子どもたちは自分のやりたいことをやり始める。そうすると、自分らしさが出てくるんだよね。」

note「ラーンネット・あーる」より引用
https://note.com/learnnet_a_ru/n/n7a9ee8b425af

本当に何もやることがなくなった時に、
自分から「あ、これやろ」と思ったものは間違いなく自分の興味・関心に導かれた行動です。
(メディアやSNSなどだと、これが依存なのか判断が難しいところではありますが)
子どもも大人も同じだと思いますが、つまらない仕事やタスクだと飽きてきます。ですが適度な難易度を与えられるといつまでもトライしようとします。
子どもは常に自分に合わせた適度なチャレンジを繰り返す生き物なのではないかと思います。
外的な要因でモチベーションや自信を阻害されない限り、いつまでもトライし続けようとします。(簡単なことばかりでは必ずいつか飽きますので)

だからこそ、
常に”程よくお腹が空いている”状態
=自由時間(余白)が潤沢にある状態
を作ってあげることが子どもの興味・関心(チャレンジしたい何か)を引き出すのではないでしょうか?

🔸暇な時間がクリエイティビティを育む

もう一つ、暇な時間の有用性を示している事例があります。
イェール大学の講師でもあるベストセラー作家、Emma Seppäläさんは下記の記事で暇な時間が子どもの創造力と革新力を育むと説明しています。

曰く、子どもが忙しい毎日を送る(興奮状態で常にいる)と、週末や余暇の時間で疲れ切ってしまい、必要な時にエネルギーが切れてしまうんだそうです。
人間の脳は実は集中していない時にひらめきやアイデアを思いつく傾向にあるそうで(シャワーやトイレでアイデアが降りてくるアレですね)、
ぼーっとしている時間を積極的に作ることで創造的で革新的なアイデアを持つきっかけにつながるそうです。

別のある研究によると
退屈している人は『感覚』を求める傾向が高いそうです。
つまり、報酬の受容や期待に関係する脳内の領域を刺激する活動や光景を探す傾向(簡単に言うと自分をワクワクさせたがる傾向)にあることがわかりました。

これらの人々は、多様な思考スタイル(創造的な新しいアイデアを思いつく能力)が育まれやすいそうです。
したがって、退屈は人々にワクワクへのアプローチを促し、連想的思考を引き起こす可能性があるようです。

まとめ

今回は、子どもにとって(おそらく大人にとっても)何もしない自由時間が実は結構重要なのではないか、というテーマで書かせていただきました。

確かに!と思うような経験をお持ちの方、
そうなのかな?違う研究データもあるぞ?という方、
ぜひコメントにて情報共有していただければです。

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