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セルビアの教育から見る「教師の給料とモチベーションの重要性」

こんにちは!
最近たまたまセルビアの学生さんとお話をする機会があり、そこから見えてきた「教育者のモチベーション」について書いていきたいと思います。

セルビアってどんなところ?


セルビアは,バルカン半島の中央部にある国で,古くからヨーロッパとオリエント世界を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。
周辺国としては、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ハンガリー、ルーマニアなどがあります。

現在のセルビアの教育制度は,初等教育8年(第一段階4年,第二段階4年),中等教育4年(ギムナジウムと各種専門学校の2種類に分かれている),大学等高等教育3年以上で構成されていて,義務教育は初等教育の8年間とされています。日本との大きな違いは,中等学校への進学時に生徒の多くは自分の専門を決めるところにあります。

外務省:世界の学校を見てみよう!

初等、中等教育(elementary school, high school )はほとんどの学校が公立校らしく、私立学校があるのは大学からなんだそうです。

また、上記にもあるように高校に入る際に自分の専門分野を決めます。
高校によって医学、理数、一般、専門などと分野が分かれています。
しかし、その差異はそれほど大きくなく、医学以外の分野はどれも似た教育内容になっているんだそうです。

セルビアの教育システムの課題


セルビアの教育システムに対して、不満や課題に思っていることはないか聞いたところ、即座に解答をくれました。
(自国の教育システムに対してしっかりと課題意識を持っていることは素晴らしいですよね👏 日本の学生はどんな課題を挙げるかも気になります。)

学校の授業があまり役に立たない

これはもう、話しながら2人で納得していたのですが、世界中で起きている問題なのではないでしょうか?

学校の授業で習う内容と、実社会で必要とされる知識に乖離があるそうです。
より実用的な知識や技術を身につけたいと考える生徒、学生は多いのでしょう。
この辺りからも、以前に書かせていただいた構成主義的な考えに基づく教育が広まっていけるといいのかなと感じます。

社会と学校がよりシームレスに繋がっていけると学校教育に対して生徒が意義を感じやすいことは間違いないと思います。

教員の給料が低い

これはやはり、全ての学校を公立にすることの弊害なのではないかと考えています。

学校教育が国民全員に無償で提供されることにより、教育に格差をつけないという点では大きな意味があります。

実例で言えば世界でもトップクラスの教育水準を持つフィンランドなんかは、ほとんどの学校が公立です。
そして、こちらのドキュメンタリーでも言っているよう「1番家から近い学校」が最高の学校であり、どこに行ってもその質に格差がないと思われています。(実際には少なからずあると思いますが)

しかしフィンランドでも最近、教員に対する給料が低いとデモが行われていました。

教育に格差をつけずに、全員に一定水準の教育を提供することはとても重要だし、できることなら全ての教育が無償化されるべきだと僕も考えています。

それと同時に、恒久的に質の高い教育を提供し続けるためにどのように予算を組み立てるかが大きな課題になっています。

教員の給料とモチベーション

給料が全てではもちろんありませんが、モチベーションを保つためにも、教育業に集中するためにも、自分の生活を支えるそれは大きな要素ではないでしょうか?

そういう意味でも、高い水準の教育をキープしているフィンランドの教員がデモを行ったことには納得がいきます。
(フィンランドの教員の給料はそれほど低くありませんが💦)

教員には莫大なお金が必要です。
教育は教師の犠牲の上に成り立っていてはいけません。
綺麗事ではないんだと思います。

そういう意味で
教育をサポートするシステムや体制はこれからも改善を繰り返していかなければいけないと考えています。
(よりグローバル化が進み国家間での人の移動が活発になるのでれば、国が教育をサポートすることが最善かどうかも考える必要がありそうな気がします。)

最後に


世界的に見ると、実は日本の教員の給料は低くありません。
さすがは経済大国、教育に留まらず平均的な給料が高いのかもしれませんが、十分なお給料だと思います。

それでも、日本の教員は「仕事量の超過」「拘束時間の超過」「責任の多様化」など多くの問題を抱え、日々精神をすり減らしています。
モチベーションが高い(もしくは責任感が強い)ことにより、教員を聖職視することが原因の一端ではないかとも考えています。

モチベーションが高くてもまだまだ課題があることに変わりはありません。
それでも世界中のより多くの先生方が、まずは自分の生活の心配をせずに教育に集中できるようになることが重要なのではないかと考えています。

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